ケイの読書日記

個人が書く書評

鈴木大介 「最貧困女子」 幻冬舎新書

2017-07-14 15:17:52 | その他
 ちょっと前、話題になった1冊。どうしようもなく気が滅入ってしまうタイトル。

 そもそも筆者が言うには、貧乏と貧困は違うらしい。貧乏は、ただお金がないだけだが、貧困というのは、お金が無いだけでなく家族や友人の縁がない状態。友人はいないし、家族がいても頼れなかったり、逆にお金を無心されたり…。だから、孤立無援。そういう状態。

 確かに「貧乏」より「貧困」の方が、言葉がきつい。その「貧困」よりもっと困難な状態にいるのが「最貧困女子」。

 多くはセックスワーク(売春や性風俗産業)で生活している。えっ?! セックスワークって高所得でしょ?と意外に感じるけど、昔ならともかく、今はそんなに稼げないようだ。もちろん、とてもキレイで若くて話が面白くて…という女の子たちは、とんでもない高給を手にするだろうが、容姿に恵まれず、お客とコミュニケーションが取れず、しかもさほど若くないと…ファミレスでアルバイトするより安い賃金になってしまうらしい。

 考えてみれば納得がいく。風俗の垣根がすごく低くなって、多くの若い女の子がドッサリと勤めだせば、単価が安くなって当然だよね。しかも男の方は2次元の美少女しか興味が無い、生身の女は必要ないって人が増えてるから、ますます供給過剰になる。

 色んな女性が取材されて登場するが、「恋愛体質」の人ばかり。勤めている風俗店の店員さんやお客さんと一緒になっても、幸せな家庭が築けるとは思えないなぁ。生活に困窮したシングルマザーが、生活保護を受けられるのに拒否し、出会い系サイトでお客の中から結婚相手を見つけるつもり、と言うのには驚いた。
 白馬に乗ってくる王子様は、出会い系サイトにはいないって!!

 ここはひとつ、木嶋香苗なならって、高年男性にターゲットをしぼったら?30~40歳くらい年齢差があったら、いくらブサイクでも大切にしてもらえると思う。
コメント
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