ケイの読書日記

個人が書く書評

群ようこ 「かるい生活」 朝日新聞出版

2018-07-19 15:29:24 | 群ようこ
 この「〇〇生活」シリーズは、大したこと書いてあるわけじゃないのに(失礼!)人気あるみたい。分かるような気がするなぁ。これから高齢者の仲間入りするけど、はて、どうしたもんかなぁという人たちに、群さんはこのエッセイ集で「漢方で身体を軽くし、余計なものやしがらみも捨てる」という、お手本を見せてくれている。

 漢方について一番多くのページをさいているが、これについては向き不向きがあるので、何とも言えない。私はいくら漢方といっても薬なので飲みたくないが、群さんの身体には合ったようで、この漢方薬局に行って薬を調合してもらってからは、とっても体調が良いようだ。

 美容についてのページも面白い。やっぱり「ほっぺたがたるんでくる」のを群さんも問題視している。そうだよね。老化もいろいろパターンがあるが、代表的な「シミ・シワが増える」よりも、「ほっぺたがたるむ・顔の輪郭が下がる」ことの方が、ああ、この人、老けたなぁと人に強く印象付けると思う。
 このたるみが難敵なんだ。いろんな化粧品会社から、小顔クリームが販売されてるけど、ね、クリームを塗って、どうして小顔になるわけ?いい加減な効能を書かないでほしい。
 私が一番、顔のたるみに効果があると思うのは、ヘッドスパ。美容院でカットする時に、プラスしてみる。2,3日は、顔の輪郭がスッキリしているような気がするな。気のせい?

 そして最後の章は、家族の問題。群さんは20歳ごろ、ご両親が離婚なさって、それ以降、お父様には会っていないそうだ。群さんは、お母様と弟さんと一緒に暮らし、社会人になってしばらくしたら独立してアパートを借りた。その後、OLから作家に転身し、本が売れ、流行作家の仲間入りした。今とは違う、まだ出版業界が元気だったころの話。高額納税者番付に載るほど、もうかったらしい。
 それから、お母様や弟さんのおねだりが始まった。税金に持って行かれるくらいなら、オレらに何か買ってくれ!という事だろう。
 お母さまは、伊勢丹の呉服売り場で、30分間に500万つかったこともあったそうだ。

 弟さんは、国立大学を卒業して一部上場企業に勤務していて高給取りなのに、姉に自分の趣味の物をねだる。イギリスの老舗ギター職人が作ったギターを買うために200万円、群さんが振り込んだ事もあったそうだ。
 その他にも、車やら家やら…。
 支払う群さんも、家族の稼ぎ頭として、お母様や弟さんから頼られたかったのかもしれない。

 そう、家族の稼ぎ頭。群さんも弟さんも結婚してないし、お母様も再婚なさっていない。だから、別々に暮らしていても、1つの家族という意識があったんだろう。

 そこで思い出されるのが、群さんのお父様。妻子を養う意識が低い人だったので、ケンカが絶えず離婚して家を出て行った。でも、売れっ子作家となった娘を頼らず、一切連絡を絶っている事など立派だと思う。
 いるんだよね。稼ぐようになった子の名を出して「支払いは子供に請求してくれ」っていう親が。
コメント
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