竹久夢二のカバー絵につられて借りたが、この本は大正6年に阿蘭陀書房から刊行された、吉井勇訳・竹久夢二絵『新訳絵入 伊勢物語』を基に、現代表記に改めた本らしい。
「伊勢物語」は高校の古典の授業以来。でも、酒井直子が現代語訳した「徒然草」が面白かったので、機会があれば現代語訳された古典を読んでみたいと思っていたのだ。でも和歌がよくわからない。だって私、百人一首だって覚えてないもんね。
まあ、なんとなく分かればいいじゃんと自分を励まし、和歌の部分を音読してみるが…うーーーん、難しいなぁ。
お話は、アンハッピーでインモラルな話ばかり。第六十二段は、昔愛し合っていた男女が疎遠になり、女は零落して田舎の役人の家の下女に身を落とす。偶然、男がその役人の家を訪れ歓待を受けると、酒を注いでくれる女が、かつての恋人だった。男はその家の主人から女を譲り受け、女に「オレの事を忘れてしまったのか?どうしてこんな境遇に」と和歌を詠むと、女は恥ずかしさのあまりポロポロ涙をこぼし、そのまま行方知らずになってしまった。
悲しい話だなぁ。でも、婚姻制度がちゃんとしてない時代だもの、こういう事は多いのではないか?
六十三段は、老いてもなお好色な老女が、なんとかして情け深い男(つまり自分と寝てくれる男)に巡り合いたいと思っていた。ある日、鷹狩に行く男を見つけ、男の乗っている馬の轡を取って、これほどまでに男を思っていると訴えたので、男は可哀そうに思って寝た。その後、男が通ってこないので(当たり前だ!)女は、男の家に行って様子をうかがっていると(ストーカーか!)男がその老女を見つけ、可哀そうに思って寝た。
つまりこの男は、セックスボランティアをしているんだ。瀬戸内寂聴が好みそうな話ですなぁ。
七十九段は、在原の一門の者の腹に親王が生まれたので、一門皆で大喜びして歌を詠んだ。だが、その業平の兄の娘(つまり業平の姪)の生んだ親王は、どうも業平の子だろうという噂だった。当時としては、よくある話なんですね。後宮や大奥がないと、こうなっちゃうんだろうね。
それにしても貴族階級の恋愛はめんどくさい。もちろん歌が下手な人だっているから、上手な人に代作してもらうだろうが、自分の屋敷の奉公人の恋愛に首を突っ込み、あれこれ代作すると、かえって破談になるんじゃない?
あんまり上手な和歌を作ってもらうと、後が困るね。
最後百二十五段。ある男が重い病の床に伏して、今が最後と思った時よんだ歌。
ついに往く 道とはかねて 聴きしかど 昨日今日とは 思はざりしを いいなぁ。私もこの歌を心に留めておこうと思う。
「伊勢物語」は高校の古典の授業以来。でも、酒井直子が現代語訳した「徒然草」が面白かったので、機会があれば現代語訳された古典を読んでみたいと思っていたのだ。でも和歌がよくわからない。だって私、百人一首だって覚えてないもんね。
まあ、なんとなく分かればいいじゃんと自分を励まし、和歌の部分を音読してみるが…うーーーん、難しいなぁ。
お話は、アンハッピーでインモラルな話ばかり。第六十二段は、昔愛し合っていた男女が疎遠になり、女は零落して田舎の役人の家の下女に身を落とす。偶然、男がその役人の家を訪れ歓待を受けると、酒を注いでくれる女が、かつての恋人だった。男はその家の主人から女を譲り受け、女に「オレの事を忘れてしまったのか?どうしてこんな境遇に」と和歌を詠むと、女は恥ずかしさのあまりポロポロ涙をこぼし、そのまま行方知らずになってしまった。
悲しい話だなぁ。でも、婚姻制度がちゃんとしてない時代だもの、こういう事は多いのではないか?
六十三段は、老いてもなお好色な老女が、なんとかして情け深い男(つまり自分と寝てくれる男)に巡り合いたいと思っていた。ある日、鷹狩に行く男を見つけ、男の乗っている馬の轡を取って、これほどまでに男を思っていると訴えたので、男は可哀そうに思って寝た。その後、男が通ってこないので(当たり前だ!)女は、男の家に行って様子をうかがっていると(ストーカーか!)男がその老女を見つけ、可哀そうに思って寝た。
つまりこの男は、セックスボランティアをしているんだ。瀬戸内寂聴が好みそうな話ですなぁ。
七十九段は、在原の一門の者の腹に親王が生まれたので、一門皆で大喜びして歌を詠んだ。だが、その業平の兄の娘(つまり業平の姪)の生んだ親王は、どうも業平の子だろうという噂だった。当時としては、よくある話なんですね。後宮や大奥がないと、こうなっちゃうんだろうね。
それにしても貴族階級の恋愛はめんどくさい。もちろん歌が下手な人だっているから、上手な人に代作してもらうだろうが、自分の屋敷の奉公人の恋愛に首を突っ込み、あれこれ代作すると、かえって破談になるんじゃない?
あんまり上手な和歌を作ってもらうと、後が困るね。
最後百二十五段。ある男が重い病の床に伏して、今が最後と思った時よんだ歌。
ついに往く 道とはかねて 聴きしかど 昨日今日とは 思はざりしを いいなぁ。私もこの歌を心に留めておこうと思う。
