ケイの読書日記

個人が書く書評

エラリー・クイン「エジプト十字架の秘密」

2006-09-10 22:49:20 | Weblog
 国名シリーズでは珍しく、エラリーが金田一耕介化している。(ファイロ・ヴァンス化しているとも言える)
 何しろ被害者が4人になるまで、彼には全く犯人の見当もつかなかったのだから。

 いままでのエラリーだったら、最初の殺人がおきた時点で父親とこういう会話が交わされる。

 父親リチャード・クイン警視「どうだね、エル。おまえにはもう何もかも分かっているだろうね」
 息子エラリー「もちろんです、お父さん。あと2つ3つの論理的考察をつけくわえるだけです」

 なーんて、すましこんでいただろう。しかし今回はまったくダメ。

 
 大学時代の恩師の教授にもボロクソにこき下ろされている。
 「…そういっては悪いが私は少し失望したね。クイーン君、きみは一体いつになったら始めるつもりなのだ?つまりシャーロック先生が蹶起一番して、例の卑劣な犯人の手首に鉄の手錠をはめるのはいつのことかね」


 いやぁ、本当に面目丸つぶれのエラリィだが、こういった彼も新鮮で好ましいなぁ。エジプト十字架型(T字型)に頭を切り落とされ、磔にされた被害者4人には申訳ないが…。

 

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5 コメント

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カナリアは (たか@ヒゲ眼鏡)
2006-09-13 02:01:40
どうだったかなあ? 随分以前読んだのですが、全然忘れちゃってます"(^^;"。

あれは連続殺人ではなかったかも?

まあ、お勧めはしません(笑)。
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たかさんへ (kei)
2006-09-12 13:57:46
 そうそう『グリーン家殺人事件』も最後には2人ですし、『僧正殺人事件』も最終的には2人残っただけです。

 

 これで名探偵というのは…。

 それとも初期の『カナリア殺人事件』などでは、さっと解決しているのかなぁ。

 私、読んでませんけど。
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うーん (たか@ヒゲ眼鏡)
2006-09-12 03:20:44
金田一耕助の場合、意外に正式依頼されるのが少ない気がしますから。なんとなく事件の現場にいるとか(笑)。巻き込まれ型の場合が多い様です。



ファイロ・バンスも中々解決できませんよねえー。『グリーン家~』なんか、容疑者が次々と殺されて最終的には二人になってますもんね(笑)。すでに二分の一の確率(笑)。
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たかさんへ (kei)
2006-09-11 10:17:39
 ホントに絶不調のエラリィです。恩師のヤードリィ教授からボロボロにののしられた時には笑ってしまいましたよ。



 私はいつも思うのですが、金田一の依頼人って、どうしてあんなに忍耐強いんでしょう。

 金田一先生が事件解決に乗り出しても、人はどんどん死んでいきます。



 「この役立たず!! おまえはクビだ!!」と怒り出す依頼人が出てきてもおかしくないと思いますが、私の記憶ではそういう場面は無かったような…。



 それとも、私が知らないだけで、書かれているんでしょうか?
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そうそう (たか@ヒゲ眼鏡)
2006-09-11 02:08:21
エラリー、不調ですよね"(^^;"。色々推理を開陳はするのですが。実はその部分がボク的には退屈だったり"(^^;"。仮説の推理が延々続く作品って苦手なのです。

国名シリーズ、読んだのはこれが最初だったので、エラリー、こういう探偵なのか、と思っていました(笑)。



TBありがとうございました!(^o^) こちらからもさせて頂きましたあー。
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