推理小説というより、歴史家とは違った見方で、ロシア最後の皇帝となったニコライ2世の皇女アナスタシア事件を取り上げていこう、という斬新な試み。
日本ではあまり知られていないが、ロシア革命のときボルシェヴィキに捕らえられ家族全員殺されたとされているニコライ2世一家。しかし四女のアナスタシアだけは逃げ延びたという説がある。
だから当時のヨーロッパのあちこちに自称アナスタシアと名乗る女の子が出現した。
その中の大本命アナ・アンダーソン(本人はアナスタシアと主張している)は、ヨーロッパ各地を転々として最後にアメリカ人の金持ちの歴史学者と結婚、静かに晩年を送った。(もちろん夫は、彼女が本物だと思っている)
ヨーロッパの裁判で「私はアナスタシア」と主張して闘ったが、結局認められず、彼女は『自分はアナスタシアと思い込んでいる可哀想な女性』ということになった。
その最大の理由は、彼女がロシア語を話せなかったことにある。そうだよね。自分の母国語を話せず、ドイツ語や英語を話すんだったら、誰もがロシア皇女とは認めないだろう。
だが、島田荘司は「アナスタシアはボルシェビキに捕まって激しい暴行を受けた時、脳に損傷を受け、それで母国語が喋れなくなったのではないか」と、脳科学者・御手洗の口を借りて述べている。母国語をつかさどる脳の部分があるそうだ。
なるほど。でもなぜフランス語も話せないんだろう。ロシアの皇女だったらロシア語以上にフランス語が堪能だろうに。
それに、母国語を話せなくなるほど脳に損傷を受けたなら、自分がアナスタシアという事も忘れてしまうんじゃないか?
全く別人が、頭に激しい暴行を受け、脳に損傷ができた時『自分はアナスタシア』と思い込んでしまった可能性だってあると思うが。
日本ではあまり知られていないが、ロシア革命のときボルシェヴィキに捕らえられ家族全員殺されたとされているニコライ2世一家。しかし四女のアナスタシアだけは逃げ延びたという説がある。
だから当時のヨーロッパのあちこちに自称アナスタシアと名乗る女の子が出現した。
その中の大本命アナ・アンダーソン(本人はアナスタシアと主張している)は、ヨーロッパ各地を転々として最後にアメリカ人の金持ちの歴史学者と結婚、静かに晩年を送った。(もちろん夫は、彼女が本物だと思っている)
ヨーロッパの裁判で「私はアナスタシア」と主張して闘ったが、結局認められず、彼女は『自分はアナスタシアと思い込んでいる可哀想な女性』ということになった。
その最大の理由は、彼女がロシア語を話せなかったことにある。そうだよね。自分の母国語を話せず、ドイツ語や英語を話すんだったら、誰もがロシア皇女とは認めないだろう。
だが、島田荘司は「アナスタシアはボルシェビキに捕まって激しい暴行を受けた時、脳に損傷を受け、それで母国語が喋れなくなったのではないか」と、脳科学者・御手洗の口を借りて述べている。母国語をつかさどる脳の部分があるそうだ。
なるほど。でもなぜフランス語も話せないんだろう。ロシアの皇女だったらロシア語以上にフランス語が堪能だろうに。
それに、母国語を話せなくなるほど脳に損傷を受けたなら、自分がアナスタシアという事も忘れてしまうんじゃないか?
全く別人が、頭に激しい暴行を受け、脳に損傷ができた時『自分はアナスタシア』と思い込んでしまった可能性だってあると思うが。
どーもボクは歴史ミステリ苦手なんで、御手洗物の中ではいまいちでしたあ"(^^;"。
推理やミステリとしてはイマイチですが、アナスタシア評伝としては面白かったです。
それにしても亡命できたロシア貴族達は現在どうしてるんでしょうね。