2003年 アメリカのミズリー州で犬を安楽死させるために
必要な全ての作業を終えた後でガス室の扉を開けたところ、
1匹の犬が尻尾をブンブン振って立っていました。
地元メディアがこの奇跡を報じると
その犬の里親志願者が殺到したそうです。
可愛い犬を殺処分するなんて
なんという惨い事をと思われる人もいるでしょうし、
その気持ちは人間として自然な気持ちだと思います。
しかし、野良犬を放置したままでいると
街に増えた野生化した野良犬によって人が襲われたり、
さらにもっと恐ろしい狂犬病についても考えなくてはなりません。
ワクチンを接種せずに犬に噛まれ狂犬病を発症すると
現在でも治療法は確立されておらず、
発症者の殆どが死亡する恐ろしい病気です。
また狂犬病を発症した犬は、
目の前に有るもの全てに噛みつくほど狂暴化するので
可哀そうとか惨い事では済まなくなります。
日本では狂犬病への取り組みが功を奏して
撲滅された感がありますが、アフリカやアジアでは
依然として狂犬病で亡くなる人がいるようです。
狂犬病による死者が最も多いのがインドで
インド旅行の際には狂犬病のワクチンを接種しておくことは
大切なことかもしれません。
さてですが話を元に戻して、
ガス室から奇跡の生還を果たした犬の里親志願が殺到したのは、
どのような気持ちから何でしょうね。
話題になった凄い犬、奇跡の犬、
希少なものや特別なものを手に入れたい欲求からではなくて
犬の殺処分について心苦しく思っていた人達が、
その犬に2度同じ怖い想いをさせたくない。
せめてその犬だけでも助けたいという気持ちからなんだと思うのです。
世界には優しい気持ちがまだまだ一杯あるようです。