素敵なレストランで気の合う仲間達との楽しい会話。
素晴らしい料理を堪能し芳醇なワインに酔いしれる夜。
ワインのラベルには、ボクシング井上尚弥の文字が。
私達、ボクシングファンは、
今、最高のボクサーの最高のボクシングを堪能し、
井上尚弥のボクシングに酔いしれる。
酔いが程よくまわるなかで
ふと冷静に戻る瞬間にあることが浮かぶのが
こんな素晴らしいお酒を味わうと
また、いつも、同じかそれ以上のものを
身体が求めてしまいそうなのが少し怖い。
いつかは、井上尚弥選手も力が衰える時が来るであろう。
いつかは、井上尚弥選手も引退する時が訪れるだろう。
ワインならひと瓶を飲み干しても
同じ銘柄の次のひと瓶を開栓すれば
求めるそれは得ることが出来るけれども
井上尚弥は、二人といない。
素晴らしいチャンピオンと素晴らしい試合を見ても
あまりにも凄いものを知った後では、
物足りなく感じてしまって
本物のボクシングファン以外の人達が離れていく
冬の時代を迎えるかも知れません。
もしかしたら最高は、エデンの園の林檎の様に
危険なものなのかも知れません。
いやいや余計なことを気に病んで
目の前のワイングラスに注がれた
最高のワインを飲み干さないのは愚かなこと。
井上尚弥選手と同じ様な刺激を与えてくれる選手が、
それ以上の世界を見せてくれる選手が
もうそこで出番が来るのを待っていると信じて、
今は、目の前の最高のワインを味わいたい。