日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

程よい緊張感のある関係

2006-12-05 22:50:32 | ビジネス
今日の讀賣新聞のWEBサイトに、「なれあい型」学級でいじめ多発という記事が掲載されている。
現在大きな社会的問題になっている「学校でのいじめ問題」だが、その背景にある「なれあい」ということに、注目したい。

今から数年前、丁度今ぐらいの季節だったと思う。
仕事を終え、いつものようにタウンウォッチングを兼ねたウィンドショッピングをしに、百貨店にいた時のことだ。
私の背後から、小学校高学年女児とその母親と思われる親子の会話が聞こえてきた。
「○○って、うざい」と女の子が言えば、お母さんが「○○って、ダメなんだよね」といった内容のことを言っている。
どうやら、担任の先生のことを話しているようなのだが・・・、その母親と思われる女性の言葉の乱暴さに驚くだけではなく、先生を呼び捨てする子どもの態度にも驚いた。
もちろん母親と思われる女性は、子供が先生を呼び捨てにしても、気にもかけていない様子。
一体どんな親子なのか?と思って、その親子を見てみるといたって普通の親子なのだ。
母親は、当たり前のようにブランド品を持ち、それなりの身なりをしている。
女の子も、今どきのファッションを着ている、どこにでもいるような女の子だ。
その「普通さ」と、「先生に対する態度や言葉の乱暴さ」のギャップに驚いたのだ。
そんなことを背景として、先生自身も「気に入られたい=なれあい」という態度になってしまうのだろうか?
それが「いじめ」に結びついているとすれば、「いじめる子だけの問題ではない」ような気がする。

しかし・・・いつのまにか、「タメ口」をイロイロなところで聞かれるようになった。
顕著な例が、ブティックなどでの店員だろう。
友達感覚で、商品を勧めるというのも一つのビジネススタイルなのかも知れない。
だが、その商品がどことなく安っぽいモノに見えてしまうというのも、事実だろう。
海外の有名ブランドショップのように、警備員がアチラコチラに立って・・・というのも、監視をされているようで(私は)余り気持ちよいものではないが、それにしても程よい緊張感のある関係が、なくなりつつあるような気がする。

「心地良いビジネス」を考えた時、相手のことを一生懸命考え・生活や日常を想像し、「素敵なコト・楽しいコト・あったらいいな」ということを、提案することだろう。
そこには、絶対踏み入れることができないほど良い距離感があり、緊張感がある。
その距離と緊張感が、スリリングな関係がなくなりつつあり、今一番必要なモノなのかも知れない。