日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

クリスマスケーキ考

2006-12-24 20:29:04 | ライフスタイル
今日は、クリスマスイブ。
ご自宅で、ご家族や友人たちと一緒に「クリスマス・ディナー」を囲んでいる方も、少なくないだろう。
とっても、テーブルの上にはお寿司にローストチキンという「和洋折衷」という家庭が、殆どではないだろうか?
そして、忘れてはいけないのが「クリスマスケーキ」。
このクリスマスケーキにも流行があるのをご存知だろうか?

私が子どもだった、1960年代の主流は「バタークリームケーキ」だった。
当時の冷凍保存の技術などから考えれば、「大量につくり保存の利くバタークリーム」主体のケーキは、ある意味仕方なかったと思うのだが・・・決して、子どもに評判の良いケーキではなかった。
ただ、デコレーションのバラだとかチョコレートでできたメッセージプレートなどは、当時の子どもでも取り合いなった。

1970年代に入ると「アイスクリームケーキ」が登場する。
それはそれは、センセーショナルな出来事だった。
と言うのも、アイスクリーム=夏のお菓子だったからだ。
そのアイスクリームが、ケーキになって冬でも食べられる?!ということが、とにかく驚きの出来事だった。
でも、初めて見た「アイスクリームケーキ」は、発泡スチロールのケースの大きさに対し、小さかった。
何よりも、ケーキよりも驚いたのは「煙をモクモクと出す白い物体」だ。
「煙をモクモクと出す白い物体」とは、ドライアイスのこと。
一般家庭における、ドライアイスとの出会いであった。

時は流れ・・・バブル景気を経て、今では世界各国の「クリスマスケーキ」が食べられるようになった。
その先陣を切ったのは、イタリアの「パネトーネ」。
イタ飯ブームにのって、日本でもクリスマスのお菓子として紹介された。
「お菓子」という表現をしたのは、ケーキよりもパンに近い食べ物だからである。
フランス料理がブームになると「ブッシュ・ド・ノエル」というケーキが、百貨店のケーキ売り場のメインを飾った。
「ブッシュ・ド・ノエル」というケーキそのものは、大分前から売られていたのだが、ケーキそのモノが地味?な印象がある「薪型」ということも有り、生クリームの丸いホールケーキにその主役を奪われていたのだ。

それが今年になると「シュトーレン」と呼ばれる「パン系お菓子」が、注目されている(「されていた」)。
日本でもケーキ店ではなく、パン屋さんで販売されているようだ。
この「シュトーレン」、初めて見たのは東京にあったドイツパンのお店で、バブルの頃だった。
イロイロな料理本を探してみると、ドイツ~スイスにかけて食べられる「お祝いの食べ物」らしい。
パネトーネ」など、本場?キリスト教のクリスマスケーキは、地味で夏の果物を干したドライフルーツや秋のナッツを使ったモノが多い。
「ブッシュ・ド・ノエル」を含め、形もシンプルで余りデコレーションには、凝ってはいない。
「恵を頂くき、キリストの生誕を祝う」という、シンプルな宗教心を反映しているのだろうか?
とすれば・・・来年はディケンズの「クリスマス・キャロル」にも登場したことがある、イギリスの「クリスマスプディング」 に注目が集まるのか?

「日本には、宗教がない」と言われる、ただ「宗教がない」からこそ、世界のクリスマスケーキを楽しむことができるのではないだろうか?
楽しむだけではなく、そこにある文化と言うものも楽しめれば、もっと素敵なことなのだが・・・。
みなさまに「メリークリスマス!!」