日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

再上陸する「バーガーキング」

2006-12-16 21:55:00 | マーケティング
昨日の日経新聞のWEBサイトに米バーガーキング、日本に再上陸と言う記事が掲載されていた。
マーケティングをしている人にとって、「バーガーキングの日本進出失敗」と言うのは、一つの教訓的なコトとして語り草?になっている。

日本に初めて「ハンバーガー」というファーストフードを紹介したのは、マックドナルドだった。
今から35年近く前。
場所は銀座・三越の角だった。
その後、モスバーガーが「テリヤキ」味のハンバーガーを発売し、アメリカ生まれのハンバーガーの「日本味化」が進み、今や定番化している。
その意味で、ハンバーガーは既に立派な「日本食」となっているのかも知れない。
最初の「バーガーキング」の日本進出は、「満を持して、本家登場!」だった。
ところが、余りにも「アメリカ・スタイル」を貫きすぎた。
ハンバーガーの大きさや量、出来上がり時間など「日本人のサイズ・食事スタイル」を考えていなかった。
結果、短期間での撤退となった。

同じコトが、北欧家具「イケヤ」にもいえる。
「イケヤ」も80年代に、ファッション雑誌などに紹介され「オシャレな北欧家具・ライフスタイル」として、注目された。
しかし、日本の住宅事情がそれを許さなかった。
価格的にも高く「オシャレな生活」は、あくまでも「海外の話」という、受け止められ方をしていた。

ここ数年、海外のスーパーマーケットなどが進出し、短期間で撤退をしている。
進出すると話題にはなるのだが、なかなか日本の市場に受け入れられることなく撤退を余儀なくされている。
「日本市場の難しさ」と、言われることが多いのだが「郷に入りては、郷に従え」という言葉通り、自国のスタイルを貫くだけでは、市場に受け入れられることが難しい。

今回「バーガーキング」は、単なる再上陸だけではなく「ロッテリア」との提携がある。
ハンバーガー業界でも、特色あるメニューが打ち出せないことへのテコ入れ、と言う問題も解決しなくてはならない。
再上陸と言うだけではなく、これまでと違う「日本のハンバーガー」をいかに提案し、展開していくのか?
もちろん「バーガーキングらしさ」を失わずに、という二兎を追う以上のことが求められている。