日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

学ぶチャンス

2006-12-27 21:12:33 | アラカルト
昨日、朝日新聞のasahi.comに天才バイオリニスト姉弟の母が心鍛える「音楽道場」作りという、記事があった。
読まれた方も、多いだろう。
ここで興味深いのは、この「音楽道場」を開くのが、バイオリニストの五嶋みどりさん、龍さん姉弟のお母様だということだ。
現在、五嶋みどりさんはバイオリニストとして活躍されているだけではなく、ニューヨーク周辺の小学校などへ出かけては、バイオリンのワークショップを積極的に展開している。
時々は、日本でも同様のワークショップをされているようだ。

同じ日、漫画「スラムダンク」や「バカボンド」等の作者として有名な井上雄彦さんが、バスケットボール選手の支援をする為に、奨学金生を募集しているという記事があった。
その名も「スラムダンク・スカラシップ」だ。
キャッチコピーにある「高校生でバスケの夢を終わらせない」という言葉が、今の日本におけるバスケットボールというスポーツの現状が現れているような気がする。
井上さんのHPを見ると、車椅子バスケの支援もしていることが分かる。

五嶋さんの考えているプロジェクトも、井上さんが始めている奨学金制度にしても、行政や学校で実施することが難しいことなだろうか?
いや、行政や学校がやらないことに意味があるのかも知れない。
本当は、個人ではなく次々と廃止になっていく企業スポーツの新しいカタチとして、事業展開したり、音楽をキーワードにした企業が新たな才能を発掘する意味を含め、支援できる「社会的事業」だと思うのだが、どうも今の企業は自己保有資産を増やすことばかりで、社会に還元するという発想がないように感じる。

10数年前の年末、ウィルトン・マルサリスが中心となって一流のジャズミュージシャンが、ニューヨークやワシントンDC.の子ども達にワークショップを開催していたテレビ番組を見た。
公立学校に通う楽器を殆ど触ったことがないような子どもたちから、クラブ活動を通じて楽器演奏の経験のある子ども達まで、目を輝かせ指導を受けていた。
それにチェリストのヨー・ヨーマが大学生を対象とした、ワークショップがありそれが発展した形が「シルクロード・アンサンブル」だ(と、記憶している)。

音楽であれ、スポーツであれ子ども達に、間近で世界トップクラスの人たちから指導を受けルチャンスは、子ども達に新しい可能性を与える大切な「学ぶチャンス」なのではないだろうか?
そして、そのチャンスを与えることが、大切になってきているように考える。