日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

放送と公共性

2007-01-21 21:01:25 | アラカルト
昨日発表された、テレビ番組の「納豆ダイエットのデータ捏造」については、「マーケティング千日回峰之記」の行者さんや「大西宏のマーケティング・エッセンス」の大西さんもエントリをされている。
それだけ、「社会的影響が強い」と判断してのことだろう。

拙ブログでも、同様の「社会的影響」という点でエントリさせていただいたのだが、ここで考えたいのは「メディアのもつ公共性」ということだ。
昨年暮れNHKは、受信料支払い拒否世帯に対して法的措置をとり始めた。
そしてあの紅白での演出。
本当の「公共性のある放送とは?」ということを、NHK自身が問題提議をしたように感じた。
そんな時「NHK問題」という新書が出ている。
「NHK問題」というタイトルではあるが、むしろ「公共放送とは何か?」ということを問題にしている。
そして「公共性のある放送」というのは、決してNHKだけではない。
「民放は、テレビCMという企業の宣伝によって番組制作をしている」というのは、NHKが受信料徴収の時に使う常套句なのだが、不特定多数の人に情報を提供し、社会に何らかの影響を与えているという点では、民放もNHKも同じはずなのだ。
だからこそ、今回のような娯楽番組であっても糾弾されるのだ。

「民放だから公共性が無く、NHKだから公共性がある」というのは、官メディア(=NHK)>民メディア(民放)という一種の優劣感がNHKにあるように感じるし、民放はNHKに対する反骨と独自性が感じられないのだ。
それどころか、「表現の自由」の名のもと「視聴率に迎合」し始めているような気がする。
それが「メディア」という「公共的要素の高い事業者」が、やることだろうか?

今回のテレビ番組について、他局や他のメディアが叩くのであれば「自分たちはどうなのか?」という、自戒を持つ必要があるように思うのだ。