日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

すぐそこにある「偽り」

2007-01-25 22:00:32 | アラカルト
年明け早々のテレビ番組の「データ捏造」事件は、「テレビの公共性と影響力」をまざまざと見せつけたような気がした。
そして今日新聞各社のWEBサイトに、「ゆうパック『翌日配達』は不当表示 公取委が排除命令という内容の記事が掲載されている。
郵便事業は、郵政省から郵政公社になり、この秋には民間企業となる。
そのため、一般郵便とは別に「ゆうパック」の取り扱い拡大をしていた。
特にコンビニエンス・ストアーでの扱いは、それまでのやまと運輸(=クロネコヤマトの『宅急便』)を駆逐する勢いだった。
実際、荷物を送るために『宅急便』取り扱いのコンビニ店を探すのに、一苦労することがある。

『ゆうパック』ではなく、『宅急便』を利用するのか?と聞かれれば、「確実性」を求める結果なのだ。
というのも、民営化に向け郵政公社がトヨタのかんばん方式を取り入れるようになって以来、若干の郵便の遅れを感じることがあったからだ。
もちろん、ないが何でも『宅急便』というわけではない。
個人的によく利用する『エクスパック』などは、送料込みで500円で速達扱いとして、小さな小包程度の物を送ることができる。
速達料金270円(重量や大きさにより変わる)を差し引いても、お値打ち感があり比較的確実に翌日届くからだ。
ただ、民営化に向けてやっていることが、決して郵便事業のプラスになっていると思えないことも多い、ということだけなのだ。

確かにトヨタの「かんばん方式」は、製造業には向いているのだろう。
でも、物流業はどうなのだろう? 
実際、昨年も今年も「年賀状の遅延・早配」が問題になった。
本当に、システムとして有効なのだろうか?
今回公正取引委員会から「不当表示」と指摘を受けたのをきっかけに、システムそのものを見直す必要があるように思うのだ。

「かんばんに偽り有り」というだけではなく、「偽りかんばん」となってしまったシステムが本当のかんばんとなるようなシステム作りのきっかけであってほしい。
エクセレント・カンパニーの事業運営システムが、万能ではない。
書店に並ぶ「成功本」を真似して、失敗をする事例のほうがはるかに多くある、ということを改めて思い出した記事だった。
今の郵便事業が参考とすべき企業は、他にあるのではないだろうか?