日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

生活者が、市場を決める?

2007-01-26 21:26:24 | ビジネス
不二家の衛生管理は、想像以上にひどいものだったようだ。
毎日のように、社内規定が問題とされ報道されている。
あまりのことに、唖然・呆然・あきれ返るを、通り越してしまった。

今日の朝日新聞WEBサイトasahi.comに、米産牛肉、消費なお低調 再開半年 輸入条件緩和焦点にという記事が掲載されていた。
米国産牛肉の輸入が再開されて半年経ったのか?と思うと、時間の経過は早いような気がする。
だが、ご近所のスーパーマーケットはもちろん、大手スーパーマーケットでも米国産牛肉を見かけることはない。
それだけBSE問題は、生活者に不安・不信を与えたということだろう。
昨年暮れ、ご近所のスーパーマーケットの精肉売り場で中年男性が「ここは、米国産牛肉を扱わないの?」と、お店の人に聞いていた。
「やはりお客さんが買いませんからね」と、言っていたのを小耳にはさんで、「当然だろう、政治でモノは売れるんじゃないんだから」と思ったのを思い出した。
これでは、政治的圧力で輸入再開にこぎつけた米国サイドも、どうしようもないだろう。
政治ではなく、生活者が「NO!」と言っているのだから。

記事内では、ますます政治的圧力を強めるつもりのようだが、結局日本の生活者が米国産牛肉の日本市場を決めているということだろう。
どうして、それにマーケティングの本家・米国が気がつかないのか、個人的には不思議だ。
政治的といっても、多くの場合、支援団体からの圧力(言い換えれば「ロイビスト活動」)で動いているのだが。
これは日米関係なく、政治家の姿だとも言えるのかもしれない。

今、現在進行形で日に日に問題が拡大している「不二家」は、「雪印」より最悪結果を企業にもたらすだろう。
残るのは「ペコちゃん・ポコちゃん」だけになってしまうだろう。
それも「ミルキーはママの味」という、名コピーとともに優しく元気な企業イメージと実態のギャップという皮肉として。

企業は様々な方法で、商品を市場に提供し、収益を上げようとしている。
でも、生活者から信頼を得られなければ、市場から淘汰されてしまう。
例えそれが政治的な意味がある商品であろうとも。
それをあらわしているのが、米国産牛肉という商品だともいえるのではないだろうか?