日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

宮崎県民が選んだコト‐地方経済と国‐

2007-01-22 21:44:11 | アラカルト
昨日行われた、幾つかの県知事選挙。
その中で、注目となったのは宮崎県だった。
そして、元タレントのそのまんま東さんが、当選をした。
そのまんま東さんのライバル候補のうち、有力視されていたのは元官僚のお二人だった。
そのお二人を圧倒しての東さんの当選だった。
 
だいぶ前にも拙ブログで書いたと思うのだが、マーケティングと政治は基本的に相容れないモノだ。
しかし、今回の選挙で宮崎県民が選んだのは「国を当てにしないで、自分たちで経済的自立をしよう」ともいえるような気がしたのだ。

これまで県知事となる人たちの多くは、中央官庁である程度の実績を積み(?)、県の出納長などの役を得てやってきた人たちが多い。
いわゆる「中央(=国からの助成金)とのパイプがある人」が、なんとなく様々な思惑を持った人たちの後押しを得て、県知事(あるいは市長)になってきた場合が多いともいえる。
というのも「中央とのパイプ」によって、「まちが潤う」という幻想が根強くあったように思うのだ。
それが「箱モノ行政」という、システムを作りあげてきたのではないだろうか。

ところが、東さんがマニフェストとして掲げたのは、「宮崎県独自で(なんとか)経済を活性化させよう」ということが中心だ。
極論を言えば「もう国を当てにしません。宮崎は宮崎独自の経済政策を作っていきます」ということを、宮崎県民が選んだともいえるような見方もできるのではないだろうか?
もちろん、ライバル候補者が東さんを「タレントなんだから」という、甘い見方をしていたとは思う。
ところが、東さんはいたって真面目に選挙を戦った。

これから先、東さんの対戦相手は県会議員たちだ。
もし県会議員たちが、「中央とのパイプを当てにした地方行政」を望んでいるとしたら、相当苦戦をするかも知れない。
しかし、「中央からの補助金行政」は破綻傾向にあると言われている。
今朝の新聞には「なぜ、今こんな結果になったのか?」と、ライバル候補者の支援者のインタビューが掲載されていた。
おそらく「時代が求めているコト・モノ」が、わからないのだろう。

日本の財政そのものが、危機的状況にあるといわれて久しい。
ならば、地方はいち早く国から経済的に自立する方法を見つけ、財政を健全化させることが地方が生き残る道でもあるのだ。

いきなり地方財政が良くなる方法はない。
だが、今やらなければ破綻の危険性をはらんでいる。
宮崎県議会議員さんたちも、そのことを理解した上で、宮崎県民の将来を考えてほしいとも思うのだ。