日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

プロのOLたち‐派遣の品格・OLのプライド‐

2007-01-17 21:34:31 | アラカルト
この1月から始まったテレビドラマ「ハケンの品格」
ほとんどドラマを見ないのだが、タイトルが気になって1回目の放送を見てみた。
もちろん理由はもう一つある。
主人公が派遣される先の部署が、「マーケティング課」ということも気になったのだ。

このドラマの脚本を書いている人が、どれだけの会社勤めの経験があるのかわからないのだが、今の女性正社員があのように横柄で、お茶ひとつもまともに淹れられないとしたら、日本のOLも地に落ちたというのが、個人的な本音である。
今は職場に備え付けのティーサーバーがあったり、自販機のコーヒーなどを利用するため、お茶を淹れることもないのかも知れないが・・・。

会社勤めをしている頃、よく言われたことが「専門の仕事だけができても、仕事をしたことにはならない」ということだった。
担当するマーケティングの仕事はできて当たり前、お茶を淹れたり・コピーを取るなどいわゆる「雑務」も難なく笑顔でこなすのが、「プロのOL」と言われた時代でもあった(その意味で「プロのOL」が減ってきたのかも知れない)。
おかげで、当時勤めていた会社の役員のお茶の好みにあわせ、煎茶を煎ってほうじ茶にするとか、昼食をかねてのミーティングで出すお茶は、食前は煎茶・食後はほうじ茶とお料理屋さん並に使い分けることも知った(このことで、親戚の集まりのときなどの手際の良くなり、一番喜んだのは実家の両親だった)。

いつの頃からか「お茶を淹れる」のは、正社員の仕事ではないように言われ始め、派遣の女性が雑務、正社員が職務といわれるようになった。
時々、「職務って何?」と考えることがある。
マーケティングという仕事は、「気配り・目配り・心配りが大切」と言われる。
それだけ、目の前にあるデータだけを見て仕事をするのではなく、「人の気持ち」や「思い」を想像し、考えていくだけの「感」が必要なのだ。
それは、OLの「(来客時に)おいしいお茶を淹れる」という、感覚に近いのかも知れない。
そのためには、職場で自分に淹れるお茶も・ついでに上司に淹れるお茶もおいしくなければ意味がないのでは?と、最近思うことが多い。

もうひとつ気になることがある。
それは「笑顔の無い職場が増えている」ということだ。
「仕事を真剣にやっていれば、笑顔なんてあるはずが無い」といわれるかも知れないが、職場の笑顔は、コミュニケーションの重要ポイントなはずだ。
下手な受け狙いの「おやじギャグ」よりも、はるかに有効かつ効果的なコミュニケーション方法が「笑顔」なのだ。
どうも、そんなことすら忘れ去られているような気がしている。

ところで・・・「ハケンの品格」の本日放送予定に「主人公が、書類をまとめホッチキスでとめる競争をする」と言うのがある。
多くの企業の「プロのOL」たちは、あんな悠長な方法でホッチキス止めをしてはいないだろう。
職場によっては「帳合機」を使っているだろうし、普通の職場でもまとめた書類を積み上げ、一気に枚数を数えながらホッチキスを打っているはずだ。
それが「プロのOL技」というものなのだ。

世間では「ホワイトカラー・エグゼンプション」なるものが、話題になっている。
もし、実施をするのであれば公務員の皆さんから実施されてみてはいかがだろう。
そして労働形態が派遣・正社員・パート(アルバイト)関係なく、実質的な労働内容というものを、洗いなおしてみる必要があるのではないだろうか?
「残業代なし」を言うのは、それから後の問題ではないだろうか?