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日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

節電生活は、定着するのか?

2011-06-05 20:41:25 | ライフスタイル
「日本の夏、金鳥の夏」という、名コピーがある。
ご存知「大日本除虫菊株式会社」の、蚊取り線香のコピーだ。
そして今年の夏は、「日本の夏、節電の夏」となりそうだ。

新聞や雑誌(特に女性週刊誌や生活雑誌)などでは、「節電のアイディア」を特集し、スーパーやホームセンターなどでは「節電対策グッズ」が売り場を拡張中だ。
とは言うモノの、これまでの快適な生活を手放すコトは、なかなか難しいモノがあるようだ。
事実、大手家電量販店では「省エネ家電」が、大人気だという。
昨年の「エコポイント制度」で相当の売上があったと思うのだが、今年も引き続き「節電対策」として人気を集めているという。

おそらく、「一度覚えてしまった快適さや便利さを手放す」というコト自体、物凄く抵抗感があるコトなのかも知れない。
いくら政府の旗振りで、メディアが「節電の夏」と言ったところで、いきなりエアコンの設定温度を上げたとしても、40年ほど前の生活に戻れるわけでは無い。
ただ、冷静に考えると「エアコンの設定温度28℃」というのは、40年ほど前の真夏の気温だったような気がする(30℃を超える日というのは、数えるほどだった)。
というコトは、「40年くらい前の真夏の気温の中で普通に生活をしなさい」というコトでもある。
逆に言えば、「日本の夏が暑くなりすぎた」というコトなのだ。

その「エアコン・冷蔵庫」と同様に「節電対象」となっているのが、照明だろう。
LED照明に代えることで、電気代の節約をするコンビニや、オフィス照明を止め、一人ひとりのデスクにLEDライトを設置を考えている企業もあるようだ。
そんな中、地下鉄の照明がやや暗くなったことに抵抗感があるのは、実は高齢者の方が強いというテレビインタビューを見た。
若い世代の方が「今までが明るすぎたんだよね。節電、節電」と笑いながら答えているのに対し、戦後の厳しさを経験したと思しきご高齢の方などは「暗いのはダメ。明るくなくっちゃ不安でしょうがない」と答えていた。
加齢に伴う、体の不自由さによる明るさを求める気持ちもあるとは思う、だがむしろ戦時中~戦後の暗いコトへの不安感が強いのでは?と、感じる瞬間でもあった。

そして、その「節電コール」も地域によって、温度差が違うだろう。
中部電力や東京電力、被災地の東北電力などの管内は、「必要に迫られた節電」。
一方、関西電力・北陸電力以西の地域は「掛け声だけの節電」だ。
その意識の違いは、大きいのでは?

日本全体の「節電の夏」は、やはり難しいような気がする。