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日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

クルマのCM

2011-06-09 13:51:26 | CMウォッチ
震災以降、殆ど見ることが無くなったテレビCMがある。
それは、クルマのテレビCMだ。
いわゆる「自粛期間」を過ぎた今でも、トヨタや日産、ホンダあたりはテレビCMを流していないような気がする(「気がする」としたのは、実は最近テレビそのものを視聴していないため、テレビCMチェックもシッカリできていない)。

テレビCMとはまったく違う話だが、毎月の様に発表される「経済成長率」に類するデータがある。
お決まりのように、「今年の日本の経済成長は見込めない」というコトバが続く。
余りにもありきたりで紋切り型の表現なので、そのまま「スルー」している方も多いと思う。
だが、個人的にはこの表現に「???」という気がしている。
今年の日本の経済成長が見込めない大きな要因は、ご存知のとおり「東日本大震災」の影響だ。
この震災で、クルマを始めとする日本の基幹産業の多くがダメージを受けた。
だから「経済成長が見込めない」と紋切り型の表現で言われると、「チョッと待って!」といいたくなるのだ。

その理由は、「東日本大震災」が無ければ、どれだけの経済成長が見込めたのだろうか?という点がスッポリ抜けているように感じるからだ。
震災前まで盛んに言われていた「内需拡大」がどれだけ進んでいたのか?という点で、疑問を感じるし、今回の震災を一つの転機として捉え様という表現がまったくされていないからだ。

話を戻すと、クルマのテレビCMが流れない背景にあるのは、生産の問題があるからなのでは?という気がしている。
市場に充分供給できない状態の今、新型モデルのクルマのテレビCMを流したところで、生活者の関心は余り高くないだろう。
もちろん、クルマを購入したい!という人はいらっしゃるだろうし、事実被災地では、小型車を中心に中古車が人気だという。
「クルマが無くては生活ができない」という生活環境だというコトもあると思うが、クルマの需要がなくなったわけでは無い。
ただ、クルマのような大きな買い物を躊躇している生活者は多いだけなのだ。

そんな社会の空気間を読み取るだけではなく、生産状態が震災以前の状態に戻っていないコトで、クルマのテレビCMが殆ど見られなくなったのではないか?と、感じている。
2、3ヶ月後、以前と変わらない量のクルマのテレビCMが流れはじめたら、日本経済の本格的復興の足音が聞こえはじめた、というコトになるのかも知れない。

個人的には、「震災以降」のテレビCMはどんな業種であれ、以前とは大きく違う感性や表現方法のモノであって欲しいと思っている。
なぜなら、生活者の価値観が震災以前と以降では、大きく変わってしまったからだ。
その空気間をいち早くキャッチできる企業が、これから先伸びていくように感じている。