日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

AKB48的戦略

2011-06-10 11:20:43 | ビジネス
今年も「AKB48総選挙」が行われていた。
昨年行われた時は、丁度選挙が近かった(と思う)コトもあり、そのカラミというか話題に乗っかったイベントだと思っていた。
そうしたら、今年も「総選挙」があると聞いて、毎年実施しているのか?と、はじめて知ったのだった。

昨年CDの売上上位だったのは、この「AKB48」と「嵐」だった。
「嵐」の場合、ジャニーズというバックがありレコードからCDへと変わる時も、実はジャニーズ系のアイドルたちはレコードをリリースしていた、というコトがあった。
「レコードジャケットの方が、大きい=アイドルの顔写真が大きい方が、ファンの女性たちは喜ぶ」というのが理由だった。
もちろん「嵐」場合「音楽配信をしていない」というコトも、CDセールスに大きな影響を与えている。

一方、「AKB48」はどうなのだろう?
既にオバサンの領域に突入した私としては、「AKB48」の魅力というのがイマイチわからない。
それだけではなく、雨後の筍のように登場した姉妹グループ(「SKE48」など)?との関係もよくわからない。
勝手に「SKE48」は、「AKB48」の名古屋バージョンだと思っている。

そして、「AKB48」を仕掛けたのが秋元康さんだということを考えると、その昔大人気となった「オニャン子クラブ」を想像してしまうのだ。
それだけではなく、「オニャン子クラブ」から着想したと思われる「モーニング娘」とも似ているような気がする。
その意味で、プロモーションがこれらの2つのアイドルグループと似ているような感じを受けてしまうのだ。
と言っても、「AKB48」のファンは、「オニャン子クラブ」などは知らないと思うので、新鮮さを感じるのかもしれない。

ただ大きく違うコトは、「CD」をツールとして様々なプロモーションを行っている点だろう。
これまでは「CDを売るためのプロモーション」だったのが、「アイドルをメジャーにするためのプロモーションツールとしてのCD」に変わったという点だ。
何でも熱心なファンは、今回の「総選挙」のために「CDを聞くため」ではなく、投票をするために購入したという話もある。
もちろんCDだけではなく、メンバーそれぞれが持っている「ブログ」などのアクセス数なども「メンバー構成」に反映されるようだが・・・。

その点では「嵐」とは、まったく違う位置付けの「CD」がある。
「AKB48」の場合、「CDで音楽を聴く」為ではなく、「アイドルをメジャーに育てるためのツール」となっているのだ。
それで本当に良いのだろうか?
まだまだ10代の彼女たち(だと思う)が、アイドルである時はそれで良いと思うのだが、アイドルから卒業した時、彼女たちはどれだけ魅力的なシンガーや女優さんになっているのだろう?

古い感覚で申し訳ないのだが、「CD」はやはり「音楽を聴くため」のモノだと思うのだ。

もちろん、全国紙に「記事」として掲載され、海外まで中継をするこの「総選挙」のような話題作りの上手さは、秋元さんらしいと思うのだが・・・。