日々是マーケティング

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日本のガラパゴス化が進む理由

2011-09-12 21:07:21 | ビジネス
Yahooのトピックスに「東芝、音声で反応するエアコン」と言う内容の記事が、ピックアップされている。
東芝のプレスリリース(ニュースリリース)
世界初注1、声で動くエアコン 大清快VOiCEの発売について
-新型デュアルコンプレッサーの搭載により、省エネ性能を向上-


確かに、声に反応して「省エネモード」や「除湿」が出来たら、便利だと思う。
思うのだが、果たしてその機能は本当に必要なのだろうか?
その機能がなくても、生活に不自由市しないのでは?と思ってしまう。
仕事などで昼間家にいない家庭にとっては、そのような機能よりも「携帯電話でエアコンのスイッチを入れたり、設定温度を調節できたり」と言う機能の方が便利なのでは?
もしかしたら、そのような機能の付いたエアコンは既に市場に出回っているのかも知れないが、余りこのような機能と言うのは聞いたことが無い。
「ユビキタス社会」と言う言葉が持て囃された10年ほど前は、このような「遠隔操作」が近い将来できるようになる!と、言われていたように思うのだが・・・。

今回の東芝の「音声で反応するエアコン」の記者発表の場では、「レアアースの価格の値上がりも影響して、1万円ほど従来の機種よりも高い価格設定となったが、新しい(音声反応)機能と言う付加価値分だと思って欲しい」と言う主旨の話があったようだ。

この話を読んだ時、「この発想が、日本のガラパゴス化の理由なのでは?」と、思ってしまったのだ。
価格を値上げの一つの理由として、「高機能」と言う付加価値を付け、その機能が陳腐化してしまうと、次の新しい付加価値としての「高機能」を付ける。
確かに「高機能」になればなるほど、生活は便利になると考えられる。
だが、「本当に生活が便利になっているのだろうか?」と言う検証はされているのか、やや疑問に感じている。

「日本のガラパゴス化」の代表と言えば、携帯電話がある。
カメラなどの機能は、確かに便利だし私も利用している。
しかし、スマートフォンの登場でこれまで便利だと思っていた機能が、本当に便利な機能なのか?と言う疑問も出てきているのではないだろうか?
結局、スマートフォンの登場・一般化によって、携帯電話の多機能化は余り意味のないモノとなってしまったのでは?と考えると、今回の「音声反応のエアコン」も似たような道を辿るのでは?と、感じてしまうのだ。

日本の白物家電は、省エネ+多機能を売りの一つとしている。
省エネはともかく、「本当のその機能必要ですか?」と言うコトを技術からではなく、生活と言う視点で見る必要があるのでは?
それが出来なければ、「日本家電のガラパゴス化」が進んでしまうような気がするのだ。