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三番手の逆襲がはじまるか?

2012-03-01 20:02:29 | ビジネス
昨日、プラチナバンド・900メガヘルツ獲得企業の発表があった。
結果は、ソフトバンクが獲得。
ソフトバンク ニュースリリースより
これによって、ソフトバンクの携帯電話、特にiPhoneなどのスマート携帯が繋がりやすくなったと言うことになる。

以前から、「ソフトバンクは、繋がりにくい」と言われていた。
その理由は、使用できる周波数が700と言う、建物などの障害物に弱い周波数しか持っていなかったため。
「何もそんなこと、説明されなくても知っているよ!」と、言われる方も多いと思うのだが、案外「知っていて当たり前」と言う事実を、知らずに「繋がりにくい」と思っていた人は多いのではないだろうか?
お恥ずかしい話だが、先日家電量販店の携帯電話売り場で、説明されて初めて理解できたのだった。
だからこそ、ソフトバンクは是が非でもこの「プラチナバンド・900メガヘルツ」を獲得したかった、と言うことは想像ができる。

となると、携帯電話市場の三番手であるソフトバンクは、docomoやauよりも「繋がり易さ」と言う点では、優位に立つ可能性が出てきた。
それを強力に後押しするのは、NHKが「難視聴地域解消目的」のために、全国に設置したアンテナの一括買い上げ、と言うニュースだ。
ご存知のとおり、NHKは受信料の一部を「難視聴地域解消」ために使ってきた。
それが地デジ化によってアナログアンテナが不要となり、そのアンテナをソフトバンクが一括買い上げをすることになったのだ。
言い換えれば、ソフトバンクは三番手だったからこそ、様々なタイミングがプラスに働き、docomoやauよりも少ない設備投資額で、携帯電話市場を優位に進めることができる可能性がある。
それで無くとも、小さな市場から徐々に設備計画をしてきたため、docomoやauのような「スマートフォン急増による通信障害」が起き難い状況を作ってきた、とも言われている。
もちろん、ソフトバンクのスマートフォンの中心が、通信障害を起こしにくいiPhoneである、と言うことも優位にはたらいている。

そのことで、どんなことが起きるのだろう?と、想像してみる。
例えば、現在docomoが積極的に展開をしている、LTEデータサービス「クロッシィ」と同様のサービスが、ソフトバンクはもっと優位に展開できる。
テレビが携帯電話のように、自由に持ち出して見られるようになるかも知れない。
子どもや離れて暮す家族のセキュリティー・見守りツールが、より充実し利用しやすくなる可能性もあるだろう。

三番手の逆襲(というと、大げさかも知れないが)が、どのような戦略で始まるのか?そして、docomoとauは、どんな戦略で迎え撃つのか?
そして私たちの生活が、どのように変わるのか?
そう考えると、チョッと楽しみな三番手の逆襲だ。