日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

大人の女性の靴選び

2013-08-08 16:03:48 | マーケティング

日経新聞の新製品の記事に、チョット目を引く記事があった。
日経新聞:足が細身の女児むけ靴 アシックス

この記事を読んで「で、それで何?」と思われる男性は多いかも知れない。
実は、女性にとって「靴選び」というのは、美容的な意味だけではなく健康面でもとても重要なのだが、日本の場合、デザイン重視ということもあり、足に合わない靴をはき続けた結果、足にトラブルを抱えている女性と言うのは、とても多い。
かくいう私も、その一人
だ。

この様な文章を読むと、「あぁぁ~、外反母趾でしょ」と思われる方がほとんどだと思う。
私の場合、外反母趾では無い。
むしろ専門店では、「外反母趾にならない足」と言われている。
一体何が問題なのか?と言うと、足幅が極端に細く甲が薄いのだ。
もう一つ付け加えるなら、見事な扁平足でもある。
その結果、普通では考えられないようなところに「まめ」ができたりする。
「それくらい我慢すれば」と言うレベルだと思われるかも知れないが、足首に負担がかかり、膝から下の筋を痛め、整形外科通い・・・と言う経験を過去何度かしている。

ここ20年くらいで、女性の靴と言うのは随分サイズ展開が変わった。
それが上述した「外反母趾」という問題だった。
極端に先が細い靴を無理やりはき続けることで、足の親指が「くの字」に内側に曲がってしまい、重症化すると、歩行にも支障をきたすと言われている。
一時期、タレントさんたちが「外反母趾で辛い思いをしている」と話題になり、その頃ぐらいから、婦人靴のワイズ=幅が、E~2Eが標準として扱われる様になった。
と言っても、このサイズ展開が中心となったのは、婦人靴でもいわゆる「OL~ミセス向け」が中心。
今でも若い女性を対象とした靴は、先が細かったり、靴底が安定していない「デザイン重視」のものが多い。

ところが、私のようなワイズがE以下(専門店で計測をしてもらった結果、私の足幅はCもしくはBらしい)の女性が増えつつある様なのだ。
これまで「日本人女性の足型に合わせて」作られていたはずの、靴が実は生活環境や体つきの変化で、合わなくなりつつあると言うことになる。

今回、アシックスが子ども向けにこの様な靴を発売する、と言うことは既に私のような足の子ども達が随分増えつつあり、顧客からの希望が多いと言うことだろう。
特に「靴の履き始めの靴選びは、とても重要」と言うのが、欧米での認識。
デザインでは無く、しっかり歩くための靴を選ぶ第一歩と言うことのようだ。

そう考えると「日本の婦人靴」というのは、「売れるデザインの靴」ばかりを求めてきたような気がする。
やはり、靴の本来持つべき機能を考えれば、「歩くこと」をまず考えるべきだろう。
日本はファッションだけでは無く、プロダクトデザインを含めとても機能的で美しいデザインが多いのに、何故か靴だけはそうではない。

これからは「大人の女性がキレイに見える」だけでは無く、個人の問題点をある程度カバーできる靴という発想が必要な気がする。
そしてその様な靴を作れる、デザイン力と製造力をもっていると確信している。

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