日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

想像する力を身に付けよう

2013-08-20 15:05:22 | ビジネス

今年の夏は、とにかく「暴力的」だ。
一部地域では、1日で1ヶ月分の大雨を降らせたかと思えば、他の地域では連日の猛暑と雨部不足。
取水制限までされている地域もある様だ。

この様な気候のせいかのか?全国各地で、「ある行動」を自慢げにネット上で報告する、若者が続出した。
「ある行動」とは、コンビニやレストランなどの冷蔵庫などに入り込んだ写真をネット上に掲載する、と言うもの。

確かに子どもの頃、余りの暑さ(と言っても、今ほどではなかったが)に「冷蔵庫に頭を入れて涼みたい!」と思ったことは、何度もあった。
特に受験期の頃は、夏休み中楽しいこととは縁が無く、連日勉強に明け暮れていた時などは、フッとそんなことを思い浮かべることもあった。
でも、実際にその様な行動を起こしたか?というと、しなかった。
当時、コンビニなどが身近ではなかった、と言うコトもあるが「そんなコトをすれば、怒られる」と言うコトが想像できたからだ。

今回、問題を起こした若者達は「こんな大騒ぎになると思っていなかった」と一応に話しているようだが、彼らの本音としては「大騒ぎになる=プチ・有名人になる」という、願望があったのではないだろうか?
「こんなこと、しちゃいました~(笑)」ということを、ネット上で公開し、話題になる(=話題の主人公になる)という気持ちのほうが強く、その様な写真がネット上で公開されると、「自分は、もっと凄いことをやっている」と、エスカレートしてネット上に公開していったのでは?
その後自分の身に起きるであろう、様々なことがらを想像することもなく「刹那的」と言うよりも、その場のノリというか、雰囲気に流された・・・と言うコトだと想像している。

「思っていなかった」のは、その後自分の身に起きる様々な社会的バッシングや、
被害を受けた企業から請求されるであろう「損害賠償金」ということだろう。

「若気の至り」という言葉がある様に、若年期というのは、ある種のノリと勢いでおバカなことをしてしまうことがある。
しかし限度というものがあり、多くの場合「チョット待てよ・・・こんなことをすると、周囲に迷惑が掛かるな」と、想像することができたのだ。
そしてその程度の想像力を持っている若者のほうが大多数だろう。

今年のはじめUSJのアトラクションの乗り物に乗車中、故意的に落ちたりした大学生達がいた。
彼らは、それ相当の処分を受けている。
その彼らの動機もまた、今回問題となった若者と同じようなことだった。

「想像する」ことと言っても、宇宙の神秘を想像したりする力は必要ない。
「周囲に迷惑を掛ける」という、常識的な想像力が必要だと言っているだけなのだ。
そして、この「周囲に迷惑を掛ける」という常識的な想像力が、社会人には必須な力でもある。
暑さにかまけて、常識的な想像力が低下していたとすれば、その代償は余りにも大きすぎる、そんな教訓を、この事件は教えているような気がする。