日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

docomoのジレンマ

2013-08-30 17:06:26 | ビジネス

NTTdocomoの一人負け状態を打開する策として、この春発表されたのが「docomoの2トップ」だった。
対象の機種となったのは、サムソンの「Galaxy」とソニーの「Xperia」の2機種。
しかし残念なコトに、この「2トップ」戦略も、思う様な結果が出ていない。
そこで考えた!と言う程えはないかも知れないが、新しい?戦略として「初音ミク」を起用したようだ。
今朝の新聞に中央2面に渡る広告を掲載している。

公式サイト:dx39.net

「初音ミク」というバーチャルアイドルは、確かに日本生まれの全世界育ち、と言って良いだろう。今の日本のポップカルチャー又は「CoolJapan」を代表していると、思っている。
そもそも存在しないアイドルの3D映像コンサートに、観客が熱狂する・・・と言うコトなど、初音ミク以前には考えられなかった現象だと思う。

その「初音ミク」を、ソニーの「Xperia」限定モデルとして、今日から予約を開始する、と言うのが今日の広告だった。
この広告を見たとき、確かに日本生まれの「初音ミク」を起用するのだから、ソニーという日本企業のスマートフォンの限定機種とするのはわかる。
韓国企業のサムソンの「Galaxy」を対象としなかったのは、広告本文にある「どこかの誰かが開発したSNS、アプリ、コンテンツ・・・」と言う一文に集約されているような気がしたのだ。
「どこかの誰か」では無く、「この国の誰かと一緒になって、これからのアプリやコンテンツを発信していくツール」という気概なのかも知れない。

でも、チョッと力みすぎではありませんか?
「初音ミク」の魅力は、多くの人が自由に自分の考える初音ミクを創り、それを共有していきながら「初音ミク」というキャラクターが、生き生きと動きだし世界中のバーチャルアイドルとなったのでは?

「世界中の誰かとつなぐ・つながる・わかちあう」時、日本企業であるとか、ないとかと言うコトは関係がないような気がしたのだ。
そして、世界中の「初音ミク・ファン」に応えるだけのアプリやコンテンツが、この「Xperia」に搭載されているのであれば、世界を見据えた展開が必要だと思う。

スマホの魅力は「世界とつながる」と言うコト。
docomoが対象とする市場は、日本国内・・・。
でも、本当だろうか?
日本のユーザーが海外で自分のスマホを当たり前のように利用している、と言うコトを考えると、変に日本という国にこだわる必要があるのだろうか?

「この国でなければ生まれなかったカルチャーがあるのならば、この国でなければ生まれない、スマホの未来もきっとある」という、キャッチコピーを読むと、docomoがかかえているジレンマのようなものを感じる。