日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

入学準備のおはじきなどの文具は必要?

2016-03-14 14:40:55 | 徒然

年明けくらいから送られてくる通販のカタログを見ていると、「入学・入園準備セット」などが目に付くようになる。
その中で「なるほどな~、時代なのだな」と思うものがある。
「お名前シールセット」と、呼ばれるものだ。
そのセット内容を見てみると、「鉛筆用、お稽古バッグ、給食セット・・・」などがあり、このようなものがあればきっと親御さんは便利だろう、と納得するのだ。

ただその中で「便利だろう」とは思いつつも、「実際小学校の授業で使っているのかな?」と、思うものがある。
それが「おはじき」だ。
「おはじき」一つ一つに、子どもの名前を書きいれるという労力の大変さは、十分理解できる。
元々小さな「おはじき」に合わせて、小さな文字で名前を一つ一つ書き入れるのだ。
その数も、5や10ではない。
シールを貼る、と言っても手間のかかる作業(あえて「作業」と言いたい)になる。

ところで、この入学準備に必要とされる「おはじき」。実際に授業で使っているのだろうか?
今の学校の授業そのものを知らないので、分からないのだが40数年前、私が小学校低学年の頃には、授業で使わなかったような気がする。
使うことなく、いつの間にかどこかへいってしまった・・・という、感じなのだ。
「時計」なども授業では、先生が大きな模擬時計を実際に使いながら、「時間(あるいは「時刻」)の読み方」を学んだような気がする。
「数を理解する道具」として用意されるのだと思うのだが、本当に子供一人ひとりの名前を付けて、用意する必要があるのだろうか?

先日、ネットを見ていたら「義務教育でありながら、中学入学にかかる費用負担が重い」という、記事があった。
西日本新聞:義務教育、重い負担なぜ?制服、かばん・・・中学入学で9万円 進学や通学の「壁」に
この記事は、中学進学にかかる費用についての記事だが、小学校入学でも決して負担が軽いとは思えないのだ。

新入学で親御さんが用意するものはとても多い。
小学校ならランドセルや学習机などがある。制服のある地域では制服をあつらえる必要もあるだろう。
以前なら、多くの子どもたちがほぼ揃えられたものが、「こどもの貧困」が言われるようになり揃えられない家庭もあるのでは?という気がしたからだ。
「おはじき」などは些細な道具だが、本当に使われる道具なのか?ということを考えることで、もっと違うものにかけられるお金があるのでは?という、気がする。
何より「これまで用意してきたことだから」という理由で、揃えることが当たり前だと考えられてきたとすれば、そこから見直すことが大事なのでは?

私の頃と今の子供たちとでは、生活環境・社会環境が大きく違う。
そのような社会的変化を踏まえた「入学準備セット」に変わることも、必要な気がするのだ。