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「フードバンク」か?「残飯処理」か?

2016-03-31 20:32:55 | アラカルト

貧困家庭の子供たちへの「食事支援」として、注目されている「フードバンク」。
その「フードバンク」の在り方を考えさせられるような記事が、毎日新聞に掲載されていた。
毎日新聞:福岡県「売れ残り」貧困の子へ「偏見助長も」現場危惧

数年前から、貧困家庭の子供たちへの食事支援として「こども食堂」と呼ばれる、食事支援が注目されるようになってきた。
これらの「こども食堂」の大きな特徴は、
1.子どもたちが、大人と一緒になって大勢で食事をする
2.暖かい食事が提供される
という点がある。
そのため、地元地域の方たちからの野菜などの提供協力などが、必要と言われてきた。
反面、コンビニやスーパーでのお弁当やお惣菜などは、提供されるという話はあまり聞いたコトがない。
私が知らないだけかもしれないのだが、「こども食堂」の多くは、子どもたちも食事作りを手伝うことで「家庭的な役割」という部分も果たしているのでは?と、認識をしていた。

それに対して福岡県の取り組みは、緊急的な場合であれば問題は少ないとは思うのだが、見方によっては「残飯処理」という、イメージを与えかねない。
このイメージで思い出すのが、今年の節分で大量の恵方巻が売れ残り、処分をされたという写真だった。
excite news:「恵方巻」が問題だらけで、ヤバすぎる 今年も「大量廃棄」と「自爆営業」が相次ぐ
大量廃棄の原因となったのは、「自爆営業」と呼ばれる「アルバイトを含む従業員に無理やり購入させた」ためなのだが、この写真を見て「食べ物を粗末にしている」という印象を持たれた方は、多かったのではないだろうか?
背景にあるのは、上述した通り「自爆営業」というものがあるのだが、コンビニ業界だけではなくおそらく大手スーパーなどでも、同様の「恵方巻廃棄」がされていたのでは?と、考えるとビジネスとは何か?ということを考えさせられる。
むしろ、このような食品廃棄を減らすためには、業界全体が「食品廃棄量を減らす」ことに力を入れる必要があるのでは?と、考えるのだ。

福岡県での取り組みを考えると、「フードバンク」という、貧困家庭の子供たちへの食事支援活動に対して、きちんとしたガイドラインのようなものが必要になってきているのでは?
「フードバンク」が「残飯処理」のような位置づけになりかねないようなことであっては、いけないと思う。
そもそも「こども食堂」の趣旨は、「空腹を満たすため」だけではない。
「空腹と心を満たすため」に、様々な人たちが関わる活動なのではないだろうか?
そのためのサポートとしての「フードバンク」とは何か?
注目され始めている時だからこそ、しっかり話し合いガイドラインづくりをする必要があると思う。