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「フクシマ」が収束するまで、震災の復興は終わらない・・・

2016-03-11 20:53:53 | Weblog

Yahoo!のトピックスに、「エフイチ」という文字があった。
何のこと?と思い、アクセスをすると「東京電力福島第一原子力発電所」の事故現場であり、事故収束のための現場のことだった。

Yahoo!:ルポ 5年目のエフイチ 7千人が働く「防護服の職場」の今

そして、この画像を見ながら「復興」という言葉が、空しく思えてきた。
確かに、わずかながら日々収束に向かうよう、7000人もの人が働いている。
しかし、現実には作業がすべて終了するには、40年とも50年ともかかる現場。
ということは、「東京電力福島第一原子力発電所」周辺は、40年とも50年とも言われる時間が止まり、その後の復興ということになるのでは?

避難地域となり、今は「汚染土壌の仮処分場」となっている飯館村は、「美しい村」に登録していたのどかな日本の原風景が残る美しい村だった。
それがいまでは、黒い汚染土壌が入った袋がいたるところに積み上げれらる、場所となってしまった。
おそらく「美しい村」に登録されていた頃の姿に、戻ることはないだろう。

これらの光景を見ると、改めて「原発のリスク」ということを、考えてしまう。
確かにCO2の排出は、化石燃料よりも少ないかもしれない。
しかし、一旦事故が起き、廃炉にするためにかかる費用が膨大な額なだけではなく、時間そのものも気が遠くなるほどの時間を必要することがわかる。
40年、50年という時間、多くの人達が、自分の命を懸けるように作業をしなくてはならない、ということにもなる。

それほど社会的、経済的リスクの高い事業を公益性の高い企業と政府が、推進をしていたのだ。
そして「フクシマ事故」の収束が見られない状況の中で、再び「原発再稼働」の動きが出てきている。
不安を覚えない人は、いないのではないだろうか?
企業の儲け論を優先する時代ではなくなった、と実感したのは5年前の「東日本大震災」の時だったのでは?
政府や官僚の無力さ、地域コミュニティーの力強さ・・・そんなコトも知った5年前だったように思う。
政府=民主党政権がダメだったのではなく、自民党政権であっても似たような対応しかできなかったのではないか?
なぜなら、あの惨状を見て「原発再稼働」を推し進める政治家は、いないと思うからだ。

今日、安倍さんは「復興は進んでいる」という趣旨のことを話したようだが、「イチエフ」の現状を見て「復興が進んでいる」と本気で思っているのだろうか?
「イチエフ」の現状は、ほかの被災地とは違う視点で見なくてはならないとは思うが、少なくとも「東京電力福島第一原子力発電所」の現場が、穏やかな土地へと還るまでは「復興が進んでいる」という言葉は、つかえないような気がするのだ。