日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

「電子書籍」のライバルは、ブックオフだった?!

2016-03-15 12:58:34 | ビジネス

昨日、Yahoo!のトピックスに、電子書籍についての記事が取り上げられていた。

Internet Watch:
       電子書籍の利用率が2割弱で頭打ち、「利用意向なし」が増加、「関心なし」と合わせると6割以上に

Yahoo!のトピックスに取り上げられていたことから、Facebookなどからのコメントが掲載されていた。
それらのコメントを読むと、「なるほど!」と納得できる内容が多かった。
その中で目を引いたのは、「電子書籍そのものが、高い」という内容。
確かに、紙の本(や雑誌)の新刊などに比べると、電子書籍は安い。
安いのだが、アクセスをしてダウンロードをする手間+購入代金を考えると、割高感があるようだ。
何よりも「中古で買ったほうが、安い」というコメントを読むと、納得してしまう。

Amazonで書籍検索をすると、大体「中古書籍」があるコトがわかる。
確かに「中古」かもしれないが、その状態は比較的良いものが多い。
送料を払っても、電子書籍よりも安い場合もある。
何より、ブックオフなど「中古書籍」を扱うお店が、街中に増えたことも大きな要因だと思う。

というのも「中古書籍」そのものを扱う書店は、ブックオフが登場する前まではほとんどなかった。
そのころあったのは「古書店(あるいは「古本屋」)」で、扱っている書籍もマニアックというか、一般受けするような書籍が少なかった。
それに対してブックオフの場合、ベストセラー本は言うに及ばず、ビジネス本から小説、文庫本や新書、マンガなど一般書店と変わらない品揃えとなっている。
何より、並ぶ中古書籍の状態が良い。
それまでの「古書店(あるいは「古本屋」)」のように、古いことに価値をおいていないので、比較的状態の良い本が並んでいる。
しかも「1冊10円」を謳う売り場などもあり、新品の本でなくても十分、という人にとっては嬉しいだろう。

それに比べれば、「電子書籍」は随分高いという印象を持たれてしまうのも、仕方のないことかもしれない。
とすれば、新刊本はともかく発売から言って期間を経過した本については、販売価格の見直しというコトも必要かもしれない。
場合によっては「電子書籍版のみ」という、販売の方法も必要かもしれない。
FM番組の「感じて漢字の世界」は、hontoのみの扱いで「読む・聴くが楽しめる電子書籍」として、販売をするという例もある。
最もこの場合、FM番組という音声があり、それを文字としても読んでみたい、という希望があってのことだとは思うのだが・・・。

もう一つ伸び悩む理由を考えるなら、「読むための道具が必要」ということではないだろうか。
スマートフォンの画面では小さすぎる、かといってタブレットは大きすぎる・・・と、感じている人が、案外いらっしゃるのでは?
スマートフォンの普及率は高くても、それが電子書籍の購入者には結びついたはいないだろう。
タブレット端末を購入するにしても、そのための契約をしなくてはならない。
気軽に書店、特にブックオフに行って買う、という訳にはいかない。
このような、ハードルの高さがもしかしたら「電子書籍」の普及を阻んでいるのかもしれない。