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野球とお金、そして「もしドラ」

2016-03-16 12:06:12 | スポーツ

昨年の巨人在籍選手による「野球賭博」に端を発した、「野球とお金の問題」。
今年に入り、他の選手も「野球賭博」をしていたと、先日謝罪記者会見があったばかりだ。
その結果、巨人のオーナーをはじめ渡辺恒雄氏まで辞任に追い込まれた。
今週に入り、再び「野球とお金」の問題が巨人に浮上した。
ただ今回は、巨人だけではなく阪神や西武という他球団でも同様のことがあった、ということが判明。
プロ野球界全体が、「選手たちがお金をかけて、試合をしていたのでは?」という、疑念を持たれるような状況になりつつある。

巨人の初代オーナーであった正力松太郎は「巨人軍は球界の紳士たれ」という遺訓を残し、この言葉が巨人のイメージを作ってきた部分があるような気がする。
V9時代の長嶋や王といったスター選手のイメージは、まさにそのようなイメージのような気がする。
反面、読売新聞の販促部隊としてのチームという部分もあり、販売部数を伸ばすためには「勝つことが使命」だともいわれている。
広島などの市民球団とは全く違う「事業目的」を持った、球団ともいえるかもしれない。
ただ、巨人だけではなく他球団でも同様のことが行われていた、ということは「プロ野球とは何か?」ということを、考え直す必要があるのでは、という気がしてくる。

数年前に、ドラッカーの「マネージメント」をわかりやすく書いた、「もしも、高校野球の女子マネージャーがドラッカーの〚マネージメント〛を読んだら」が、話題になった。
読まれた方も多かったのではないだろうか?
この高校野球の女子マネージャーは「高校野球とは?」という、視点から自分たちのチームは「何を目的とするのか?」というところから、話が始まる(だったと思う)。
「事業の目的(=高校野球をする意味)は何か?」ということを、チーム全体が認識・理解をし、「目的に必要なことは何か?そのために何をすべきか?」ということを、考えながらチーム全体が成長する・・・、そんな内容だ。

今回の問題では「試合のモチベーションを上げるため」という、趣旨の発言が選手側からあったという報道がある。
プロ野球選手は、同世代の一般的なサラリーマンよりも高い年棒をもらっている。
現役選手として活躍できる期間が短い、ということへの「保障」という意味合いもあるかもしれないが、やはり「活躍、選手としての技能、努力」に対する評価があってのことだと思う。
「高い評価=高い年棒」が、モチベーションとならず、「試合の勝ち負けで払うお金」がモチベーションになっていた、とすれば、ファンに対して失礼なのではないだろうか?

プロ野球は、「もしドラ」を読んでみたほうが、良いかもしれない。
自分たちが野球をする目的は何か?そのために必要なことは何か?など・・・。
「お金」に縛られる試合など、多くの野球ファン、スポーツファンは見たいとは思わないと思う。