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HONDAのF1撤退は、新しいモータースポーツの始まりであってほしい

2020-10-02 21:16:28 | アラカルト

HONDAが来年の2021年を最後にF1から撤退する、と発表した。
日経新聞:ホンダ、G1撤退へ EV集中で来季限り

ホンダがF1という、モータースポーツの最高峰に君臨していた時代と言えば、バブル最盛期の頃だったかもしれない。
「鈴鹿にアイルトン・セナが来る」と決まった時などは、名古屋のホテルの予約が取れないという状況になったことを、覚えている。
そのセナが事故で亡くなり、ホンダもまたF1のレースで好成績を収めることが少なくなってしまった。
その後トヨタなどもF1に参戦する等しはずだが、絶頂期のホンダのような好成績を収めることは無かったように記憶している(私の記憶違いであれば、指摘して欲しい)。

日本の自動車メーカーがF1参加に積極的ではなかったのには、理由がある。
F1車というのは、市販される自動車とは全く別次元のものだ。
エンジンなどの開発費などにも、膨大な費用を要すると言われている。
F1に参加する、ということは本業である一般車というか自家用車の売り上げが伸びていなければ、負担が大きなことでもあるのだ。
にもかかわらず、積極的に参加してきたのは「F1エンジンの開発が、一般車両のエンジン開発につながる」という、考えがあったからではないだろうか?

しかしSDGsなどが盛んに言われるようになり、企業側も「創る製品と環境」という問題を取り組む必要が出てきた。
ガソリンを大量に使い、市販されることなく終わってしまうF1エンジンの開発は、企業側にとって大きな負担となるだけではなく、将来性という点でも期待できる技術開発では無くなりつつある、ということなのではないだろうか?

とすれば一時撤退などはあったが、ホンダのようなF1そのものを長い間支えてきた自動車メーカーの撤退が意味するところは何だろうか?
むしろこれまでのようなF1ではなく、水素エンジンなどを搭載した速さだけを競うレースではなく、様々な環境要素を含んだモータースポーツへの挑戦に繋がっていくのかもしれない。
ホンダのF1撤退は、その始まりのような気がしている。

F1に、大きな憧れを抱いていた本田宗一郎の夢を叶えるために、成長をしてきたHONDA。
その夢は、アイルトン・セナというカリスマドライバーの出現によって、叶えたような気がする。
とすれば今、本田宗一郎いるとすれば、どのような夢を抱くだろう。
SDGsに配慮したクルマづくりが求められる今だからこそ、新しいモータースポーツのステージをつくりたい、と考えるのでは?と思うのだ。
そしてその新しいモータースポーツのステージの中心に、新しいHONDAのクルマがあることを願っている。
(HONDA身贔屓なのは、私が子どもの頃、浜松で過ごしたかも知れない・笑)