Yahoo!のトピックスなどを眺めていると、最近気づくことがある。
それは「ライブハウスでの配信」だ。
下北沢新聞:「下北沢GAEDEN」閉店へ 池尻に移転、ライブ配信中心に営業
ご存じのように「新型コロナウイルス」の感染拡大によって、大打撃を受けた業種の一つがエンターティメントだった。
その中でも「ライブハウス」と呼ばれる、小規模のステージでお酒などが楽しめる場所は、真っ先に打撃を受けた。
理由となったのが「換気が悪く、3密状態になりやすい」という点だった。
もちろん、夜の盛り場などもクラスター発生源とされたが、それよりもダメージが大きかったのは「ライブハウス」だったと思う。
そんな厳しい時期から半年経ち、サザンオールスターズの「オンラインライブ配信」等を切っ掛けに、様々なミュージシャンたちが「オンラインライブ配信」をするようになった。
「これまでとは違う音楽ライブ」ということになるのだが、オンラインでライブが楽しめるようになったことで、これまでライブに行きたくても行けなかったという人達に、ライブが楽しめるという「新しい環境」が提供されたということになる。
日本ではJ-Popと呼ばれるミュージシャンの「オンラインライブ配信」が中心だが、海外のクラシックコンサートのライブ配信なども技術的には可能なはずだ。
実際、メトロポリタン・オペラが「Nightly Met Opera Stream」の配信実績がある。
「コロナ禍」だからこそ生まれた、新しい音楽の楽しみ方が生まれているのだ。
もちろん、音楽を提供する側としては「ライブ=生」で楽しんでほしい、という気持ちがあるはずだ。
ただ今回の「コロナ禍」で、配信という方法でエンターティメントを届けることが、当たり前のこととなりつつある。
小規模のライブハウスなどが単独で「ライブ配信」をすることはできなくても、NetflixやabemaTVのようなネット配信メディアなどと協力することで、新しい音楽コンテンツができるようになるかもしれない。
あるいは、もっと手軽にInstagramやyoutubeなどを利用して、エンターティメント配信という方法もあるだろう。
当然のこととして、より良い環境で「オンラインライブ」を楽しみたい、という人達が出てきてもおかしくはないだろう。
エンターティメントの環境変化の中で中心になっていくのは、視聴するためのテレビ、ということになると思う、
家電メーカーは4K、8Kという高画質のテレビの製造に力を入れ始めているが、音響という点ではおざなりになっているような気がしている。
日本の住宅環境では、より良い音でオンラインライブを楽しむ、ということが難しいかもしれない。
住宅そのものについても、これまでとは違う発想が必要になるだろうし、リフォームというアイディアも出てくるかもしれない。
リモートワークなどが定着すれば、仕事をする場所は都市部のオフィスである必要は薄れていく。
リモートであれば、自分にとって居心地の良い場所であることが優先されるだろう。
確かにエンターティメントの一番の楽しさは、ライブ=生の演奏や舞台だが、様々なエンターティメントを気軽に楽しむのであれば、オンライン配信という選択があるという意識が生まれたような気がしている。
エンターティメントという切り口だけでも、様々な業種で新たなアイディアが生まれてくるはずだ。
既存の見方ではなく、今生まれようとしている新たな動きを探すことが「ポストコロナ」の社会へと繋がっていくのではないだろうか?