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菅政権の「再生エネルギーへの転換」政策について考える

2020-10-27 18:58:37 | ビジネス

ここ数日、PCの調子が悪くお休みをさせて頂いていた。
何とか復活してくれたようなので、本日から改めてアップしていきたい。

さて、昨日菅さんが総理大臣としての「所信表明演説」を行った。
今朝の新聞などでも一面で取り上げられていたし、当然新聞社のWEBサイトなどでもトップ扱いになっていたので、その内容については、ご存じの方も多いと思う。
時事通信:温暖化対策、高まる期待 菅首相「排出量50年ゼロ」-所信表明演説

所信表明演説の内容は、温暖化対策だけではなかったのだが「2050年、排出量ゼロ」が、インパクトがあったため他の内容の印象が薄くなってしまった感がある。

これまで安倍さんは「地球温暖化対策」に対して、余り積極的ではなかったような気がする。
そこには、電力各社だけではなく他のエネルギー産業に関わる企業などとの関連もあったのでは?という、想像ができる。
その安倍政権を引き継いだ菅さんが、いきなり「温暖化ガスの排出量0」という表明は、驚くモノだった。

この「温暖化ガスの排出量0」と聞くと、いわゆる「再生エネルギー」と呼ばれる太陽光発電や風力発電、小規模水力発電のような、自然エネルギーへ電力事業を移していくということのように思える。
しかし、本当にそれだけで日本の全世帯+企業の使用電力が、安定的に供給できるのだろうか?という、疑問がある。
ご存じの通り、「再生エネルギー」において供給量の安定という点では、疑問符が付くからだ。

「再生エネルギー」の代表的な太陽光発電の場合、曇天や雨では安定的な電力供給が難しい。
何より、一時期ブームとなった「太陽光発電」の弊害のようなモノも、表面化するようになった。
風力発電もあの巨大なプロペラが回せるような風が必要になり、設置場所についての検討なども必要になる。
それだけではなく、「再生エネルギー」で得られる発電量では、今のような電力網では難しい部分がある。
以前から言われている通り「再生エネルギー」そのものは「エネルギーの地産地消」という、事業の転換を現在の電力会社がしなくては難しい、という問題がある。

もちろん、工場のようなところでは自前の発電システムの設備投資をすることができるだろうし、太陽光発電や風力発電とは違う、工業的な方法(例えば、水素エネルギーをアンモニアなどから取り出す)による「再生エネルギー」という考え方もある。
「再生エネルギー」そのものは、これからの技術如何による部分も大きい、ということになる。
そのための目標設定が2050年ということになるのかもしれないのだが、本当にそれだけなのか?という疑念を持っている。

というのも、これまでの安倍政権時代には、今回の所信表明の中には無い「原発再稼働」も「排出量”0”」に含まれていたという記憶があるからだ。
どのような方法で「排出量”0”」にするのか?という、方向性が語られていないという点も含んで、考える必要があるだろう。
そのように考えなくては、「排出量”0”」という所信表明が、唐突過ぎるように感じている。

「所信表明演説」なので、そこまで具体的な内容である必要は無いのだが、これまでの政府方針とはずいぶん違う方針転換であったことを考えると、演説の内容とこれまでの政策との整合性を確認する必要があると思う。