goo blog サービス終了のお知らせ 

日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

「フェイク情報」を何故、人は信用してしまうのか?

2020-10-20 22:30:30 | アラカルト

先日、偶然見つけた「ナショナルジオグラフィックス」の動画を見て、「人の認知」についてシリーズ化したものがあった。
これが中々興味深かった。
ナショナルジオグラフィック:どれだけの人がフェイクニュースを信じてしまうのか

この動画そのものは、「STAR TALK 3」という番組の中での一場面なのだが、SNSなどによってもたらされた情報の中に「フェイク(嘘)の情報」が多く、それらの情報を鵜呑みにしてしまうのは世代に関係なく多い、という内容になっている。
その背景にあるのは、「自分が共感しやすい情報」を優先的に選びやすいという傾向が人にはある、という指摘を、このトーク番組の中でもされている。
憶測やデマをどう見分けるのか ネットの中の現実性

問題となるのは、その賛同者(共感者)が多いことで、社会的世論が形成されていくということを、忘れてはいけないと思う。
そして考えなくてはならないのは、「新型コロナウイルス」の世界的感染拡大によって、世界全体が「得体の知れない不安感」が覆っている、という点だろう。

「不安感」が強い社会では、自分と同じまたは似たような価値観の考え(や主張)に、同調しやすくなりやすい。
何故なら「(自分の考えに)安心したい。自分を肯定されたい」という気持ちが、強くなりやすいからだ。
今、大統領選が行われている米国で「影の影響力」として注目されている、「陰謀説」を信じている「Qアノン」と呼ばれる集団もまた、このような社会的背景の中で生まれた集団なのではないだろうか?

もちろん、このような「安心したい。自分を肯定されたい」という気持ちは、社会不安が無い時であってもあるのだが、そのような欲求が強くなるが、今のような「得体の知れない不安が蔓延している」という状況であるということは、過去の歴史を振り返ってみてもわかるだろう。

ただ、過去から学びが無いのではなく、むしろ人の本能的な部分での「安心感、自己肯定の欲求」ということになるのかもしれない。
社会的不安が大きくなればなるほど、このようなフェイクニュースが受け入れられやすくなり、自分と共通する価値観があることに安心をし、それによって「自己肯定がされている」という、認識を持つのだろう。
そこから自分で考え(思考し)、異質な意見や考えを受け入れるのは、とても難しくハードルが高いものだと思う。
だからこそ(受け入れることが)難しいものだのだ、という故意的意識を持つことが、求められているのかもしれない。