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マーケットは、国内ではない-テレビドラマー

2020-10-28 17:41:11 | ビジネス

先日、女優の黒木華さんが「アジアコンテンツアワー」で、主演女優賞を受賞した、というニュースをFM番組で聞いた。
映画ナタリー:黒木華、ドラマ「凪のお暇」でアジアコンテンツアワード主演女優賞に輝く

アジアのエンターティメントの世界で、このような賞があることも知らなかったが、日本のドラマがこのような賞の対象となっていた、ということも知らなかった。

このニュースで一つ思い出したことがある。
4年前、大ヒットし社会現象まで起こした「逃げるは恥だが役に立つ(通称「逃げ恥」)」が、台湾でも放映され、「逃げ恥」のロケ地をめぐるツアーなども台湾では企画され人気ツアーとなっていた、という話題だ。
このように、日本で話題になったテレビドラマは、海外、特にアジアでも放映され人気となっているのだな~と、知ったのも「逃げ恥」だった。
今回、黒木華さんの受賞対象となったドラマ「凪のお暇」は、昨年の夏のヒットドラマだったはずだが、アジア各国でも時間差がありながらもアジア各国でも人気となり、それが受賞に結びついたということなのだろう。

「凪のお暇」は、上述したように昨年の夏のドラマだったが、この秋第1回分のみyoutubeでも公開をしたドラマが、海外で話題になっているらしい。
マイナビニュース:テレ東深夜のBLドラマ『チェリまほ』に海外から熱い反響!制作陣の思いとは

元々日本のBL(ボーイズラブ)をテーマにした漫画などは、海外でも人気が高い、と言われていた。
そのドラマ化なので、このような海外からの反響はある程度予測できるものだった、のかもしれない。
しかし、制作者側のインタビューを読む限りでは、海外からの反響は想定していなかったようだ。
あくまでもyoutbeでの公開は、海外での反響を意識したものではなかったようだ。
「反響があれば、いいね」という程度(と言っては、失礼だが)であったために、海外からの反響に逆に戸惑っているという様子が、インタビューから感じられる。

このように日本発のドラマが、海外で話題になるということを考えると、テレビドラマというコンテンツそのものについて、考え直す必要があるのではないだろうか?
例えば17年くらい前、日本でブームとなった「冬のソナタ」という韓国ドラマがあった。
この「冬のソナタ」のヒットにより、NHKは次々と韓国ドラマをBSで放送するようになった。
NHKだけではなく、民放でも韓国ドラマを買い付け(?)BSなどで放送をするようになった。
それが「韓流ブーム」という、大きなうねりに繋がったのだった。

「凪のお暇」にしても、「チェリまほ」にしても視聴者は日本国内を想定しているのだが、テレビドラマのコンテンツとしては海外を意識し、アジア地域全体での放映を考え、ネット配信などに力を入れるという時代が来ているのでは?という、気がするのだ。
特にNHKは、ネット配信に対して「受信料の徴収」を考えているようだが、ネット配信そのものは日本国内に限られるものではない。
むしろ海外での反響を考えた、収益構造を考える必要があるのではないだろうか?
そのような考え無しで、国内でのネット配信には受信料の徴収対象とし、海外では対応しないということで、日本国内でテレビを持たずPCなどでTverなどを使って、民放の番組を楽しんでいる人たちとの整合性が、なくなってしまうのではないだろうか?

ネットという時代だからこそ、日本で製作されたドラマが、海外でも受け入れられる時代になってきている、と考える必要があると思う。