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我慢できなくなった人達、それでも我慢したGW

2021-05-05 18:27:19 | 徒然

今日でGWが終わる。
一昨年までは、今日のニュースのトップは「成田空港では、GWを海外で過ごした人たちで混みあっています」というリポーターの報告からだった。
それが、昨年からは「新型コロナウイルス感染拡大防止のため、緊急事態宣言が発令されたGW。混雑しあう駅などは閑散としています」という内容に変ってしまったようだ。

とはいうものの、昨年と大きな違いは「緊急事態宣言」が発令されても、「1年以上外出を控えてきたが、もう我慢の限界」という気持ちが勝り、近隣の観光地へと出かけた人達が多かった、ということだろう。
特に、お天気が良かった一昨日・昨日などはBBQなどを近くの公園や河原(もちろん「火器使用可」の場所)で楽しんだ人達も多かったのではないだろうか?

「緊急事態宣言」発令直後であったため、予定されていた野外音楽フェスを中止することができなかった為、約1万人の人たちが集まり、地元の人たちを困惑させた、という記事もあった。
もちろん、主催者側は万全の対策を取り開催にこぎつけた訳だが、人が集まれば自然に「3密」が形成されるようになり、それを地元の人たちは懸念している、ということになる。

昨年であれば、このような野外音楽フェスなどの開催があれば、主催者側は当然参加人たちに対しても、相当厳しいコトがいわれたはずだ。厳しいコトというよりも「糾弾された」と言ったほうが良いと思うほど、世間の目は厳しかったはずだ。
それが、昨年ほどではない、という理由はいくつかあるはずだが、一番の要因は「東京オリンピック・パラリンピック」の開催に向け、東京都だけではなく政府が突き進んでいるからだろう。

愛媛県だったと思うのだが、「新型コロナ」の感染拡大で「聖火リレー」を止む無く中止をしたり、規模を縮小して開催、予定していたタレントや俳優の辞退が続く中でも、「聖火リレー」は進んでいる。
このような状況であれば、多くの市民は「オリ・パラをする気なんだから、自分たちだけが『不急不要』の我慢をするのが、バカバカしい」と感じても仕方ないのかもしれない。

他にも「感染防止」の本丸である厚労省職員が、大人数で歓送迎会をしていた、などのニュースは「これまで我慢してきたのは、何だったの?」という気持ちにさせるには十分だったはずだ。
人の気持ちというのは、「あの人がOKで、自分が✖という理由が分からない」と感じた時、「我慢の限界」を簡単に超えてしまうのだ。

それでも多くの人たちは、「我慢をしたGW」だったと思う。
その「我慢の限界にきているGW」だったのでは、ないだろうか?
だからこそ、オリ・パラ開催の為に「根性論」や「気合で乗り切る」的な政治家や関係者の発言は、生活者の心に響かないし、共感も得られないのだ。
この1年で、生活者の意識が大きく変ったのにもかからず、政治家の意識は変わっていない、そんなコトを実感したGWだった。