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問題解決へのロードマップの大切さ

2021-05-15 20:00:36 | ビジネス

昨日だったと思う、東京オリンピック・パラリンピックの事前合宿を予定していた45の自治体が相次いで中止となっている、というニュースがあった。
NHK NEWS WEB:丸川五輪相「45の自治体で事前合宿中止」

中止の理由は、参加国側の都合によるものということのようだ。
確かに、今の日本の「新型コロナ」の感染拡大状況を見れば、「緊急事態宣言」が発令されている都府県に限らず、日本そのものへの来日に二の足を踏む海外のスポーツ団体が出ても仕方ないと思う。
「仕方ない」というよりも「当然」と考えるべきかもしれない。
そしてこの後に及んで、フッと考えてしまうのだ。
「日本政府は、本気でオリンピック・パラリンピックを開催する気があるのか?」ということを。

ビジネスの世界では「最悪の状況を想定して、最善の方法を考える」ということを、よく言われる。
それは新規事業を立ち上げる時だけではなく、事業内容の見直しなど「リスクの回避」という点で、常に考えなくてはならない点のはずだ。
そのために、「様々な最悪の状況」を考え、その一つ一つに「最善の方法は何か?」ということを考えるが重要になる。
それは「どのようなリスクがあるのか?」、「そのリスクとなる要因は何か?」ということを探すことにもなる。
これらの「リスク」について検討することで、事業展開そのものを見直したり、場合によっては中止・時期を見極める、などの方法がとられる。
いずれにせよ「問題解決のためのロードマップ」を作成することで、「リスクと解決の見える化」に繋がっていく。

そう考えた時、昨年から「生活者に対して良心的で自覚ある行動」だよりにしてきた政府は、本気で「東京オリンピック・パラリンピックを開催する気に合ったのか?」という疑問を感じてしまうのだ。
拙ブログでは、昨年からの政府の対応を「気合と根性」という表現をしてきた。
もし、本気で東京オリンピック・パラリンピックを開催するつもりなら、今の時点で国民の7~8割がワクチンを接種が終わっている必要があったのでは?と、考えたからだ。
5月上旬で国民の7~8割のワクチン接種終了というゴールが分かっていれば、そこから逆算をした「問題解決のためのロードマップ」を作成する必要があった。

当然、未知のウイルスのワクチンではあるが、変異株が生まれやすいmRANということも「ヒトゲノム解析」と「これまでのコロナ型ウイルスの変異歴」が分かれば、ある程度の想定ができただろう。
何故なら、日本には「富岳」というスーパーコンピューターがあるからだ。
それらのデータを基に、それこそ「All Japan」でワクチンの研究・開発、治験という工程をある程度公表することで、多くの生活者の理解の基、ワクチン接種が進んでいたのでは?という、気がしたのだ。

先日、「日本はワクチンに対する研究・開発技術の蓄積が無いため、政府が1兆円規模の投資をしても難しかった」という趣旨のエントリをしたが、世界規模の共同研究を日本が呼びかけ対応する、という方法もあったのではないだろうか?
もちろん、そのための特許などの問題も出てくるだろうが、パンデミックという状況になる事は、どの先進国も望んではいなかったはずだ。

「たられば」の話をしたところで、過去の時間は戻ってはこないが、「気合と根性」しか言えない政府の態度を見ると、「本気で東京オリンピック・パラリンピックを開催したいのか?」という、根本的な部分に疑問を感じてしまうのだ。
違う見方をするなら「問題解決のためのロードマップ」の重要性を、改めて感じている、ということなのだ。