日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

プロだからこそ、先入観を持たない努力が必要

2021-09-15 13:16:03 | マーケティング

朝日新聞のWebサイトに、ハッとさせられる記事があった。
朝日新聞:玄人より素人の方がクリエイティブ?東大が実験「創作活動で活躍」

確かに、経験値が無い人のアイディアや発想力にハッとすることがある。
それは自分にはない視点・視座を持っていない、発想やアイディアだからだ。
「クリエイティブ・ワーク」と言われる仕事を長い間していると、惰性的な発想に陥りやすい、ということは確かにある。
特に過去に成功体験をしていると、その成功体験に引きずられ、発想やアイディアがその成功体験の経験から考えてしまう、ということは間々としてある。
しかもその成功体験が多ければ多いほど、複数の成功体験から物事を考えてしまう傾向が、より強くなってしまう。

素人さんの発想、アイディアがユニークで斬新となるのは、上述した「成功体験が無い」ということに加え、「先入観が無い」ため発想そのものに制約が無いという点が、大きいのではないだろうか?
逆に考えれば、素人と玄人の違いは、コンスタントに目的となる発想やアイディアが浮かび、それをカタチにする力がある、ということだと思う。

とすれば、玄人はどうすれば素人さんの創造力と並ぶことができるのだろう?と、考える必要があると思う。
上述したように、玄人と呼ばれる人は「成功体験」がある。
その「成功体験」が、柔軟な発想や新しい視点を見失わせるということになるとすれば、その「成功体験」を一旦どこかへ置いておく、という方法を考える必要がある。
「一旦どこかへ置いておく」ということが、「先入観を捨てる」ということなのだと思う。

「先入観を捨てる」ということ自体、「成功体験」が増えれば増えるほど難しくなるはずだ。
それは「経験」として蓄積されていく。
それをリセットするということは、勇気がいることかもしれない。
場合によっては「プライドを捨てる」位の覚悟が、必要と感じる時もあるだろう。
それでも「先入観」という思い込みを、捨て続ける努力は必要だと感じている。

そのためには何が必要なのか?と考えると、とにかく異世代の人たちを観察すること、話を聞くことなのではないだろうか?
「自分と違うこと」を面白がれるのは、逆に「成功体験」や「失敗体験」があるからだと思う。
失敗体験を通して「あの時に自分に教えたかった」というような、話が異世代の人たちから聞けたら、ラッキー!位の気軽さで良いと思う。
その気軽さの中から、見つかるこれまでとは違う視点や視座、発想が生まれるのではないだろうか?(と、実感している。)