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女性マーケターから見た日々の出来事

高齢者=隠居という時代ではないかもしれない‐「シニア・イノベーター」という考え‐

2021-09-19 20:46:30 | ビジネス

明日は「敬老の日」だ。
そして「敬老の日」に合わせ、新聞各社は「人口の○○%が高齢者」という、見出しの記事が掲載される日でもある。
日本の人口統計でも、いわゆる「高齢者」と呼ばれる層は増え続け、今年は29.1%が65歳という人口構成になっているようだ。
日経新聞:働く高齢者4人に1人、65歳以上最多3640万人、人口の29.1%

先週だったと思うのだが、FM番組で「60歳以上の人を対象に、敬老の日についての調査」という話があった。
その中で興味深かったのは、60歳を超えても「自分は敬老の日を祝ってもらいたい」という人が、とても少なかったことだ。
そして、「敬老の日をお祝いする年齢」という問いに対して、該当する多くの人達が70歳以上と回答していたのだった。
理由としては、「自分の親がまだ生きている」という回答が目立った、という。
確かに私と同世代でも、まだ親世代が健在という友人・知人は多い。
そのようなこともあり、自分が高齢者の仲間入り近い、という認識はほとんど持てずにいる。
還暦を迎えられた天皇陛下も、お誕生日会見で「もう還暦ではなく、まだ還暦という思いです」と答えられている。

もう一つ理由を上げるなら、日経の記事にあるように「仕事をしている人」が増えている、という点があるのでは?と、考えている。
その背景には、「年金だけでは十分な生活が送れない」という、経済的理由もあるはずだが、それ以外に考えられるのは「働きたい・現役でいたい」という意識があるのでは?と、考えている。

勿論、「定年退職後、悠々自適に生活をしたい」という方も少なくないと思うのだが、仕事をし続け、それなりのキャリアを積んだ人にとって「定年退職=隠居」という気持ちになれないのでは、ないだろうか?
「自分の経験を活かしたい(=社会に還元したい)」という意識を持つ方もいるだろう。
問題なのは、そのような意思のある高齢者とは言われたくない人たちが、数多くいるということだ。
そのようなことを考えていたら、「シニアイノベーター」という、言葉を知った。
VOGUE Japan:世界を変えたシニアイノベーター

例えば高齢者社会が進む地方において、シニア世代にも積極的に働いてもらうことで「生きがい」を提供することができるだろう。
とはいうものの、これまでの「シニア人材センター」のような、人材活用だけでは今のシニア世代は満足できないはずだ。
とすれば、「シニアイノベーター」のような、経験を活かしながら尚且つ社会に良い影響を与えられるようなモノを見つけ、事業化あるいはNPOのような形態で社会を動かすような仕組みを考えることも、一つの「人財活用」であり「地域の活性化」になるのではないだろうか?

おそらくそのような、アクティブな高齢者は潜在的に多いのでは?という気がしている。