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欧州で起き始めている、中国離れ?

2021-09-26 19:07:20 | ビジネス

一部新聞等に、リトアニアが中国メーカーのスマホの使用についての注意喚起をしている、という記事があった。
東京新聞:中国スマホに監視機能か リトアニア、不買呼び掛け

リトアニアという国が、特定の国の製品の「不買を呼びかける」ということ自体、異常な状態だという気がするのは、私だけではないと思う。
実はリトアニアよりも前に、ベルギーが不買とまでは言ってはいないが、相当警戒をした発言をしている。
Record China:ベルギー当局「中国製スマホに潜在的リスク」、しかし…-中国紙

Record Chinaの記事は、中国側の反論を記事として書くのは当然と言えば当然なのだが、それを割り引いて考えても、見出しの書き出し等でもわかるように、ベルギーが警戒心を高めているということがわかる。

今年の春頃だったと思うのだが、LINEの個人情報管理の不備により中国や韓国に個人情報が流出していた、という報道があった。
日経新聞:LINE、個人データ管理不備で謝罪 中国委託先で閲覧可能

LINEは登録ユーザー数も多いため、社会的問題として取り上げれた。
この時のLINE側の説明では、「中国で閲覧することはできない」という点と、「韓国でデータ保管をしている」ということだった。
日本ユーザーからすれば、「(韓国だろうと中国だろうと、)日本でデータ管理をしていない」ということが、問題だったはずだ。
LINEという企業の親会社が、韓国企業であるということを知らない人たちの間では、相当な問題として受け止められていたのではないだろうか?
それから約半年が過ぎ、欧州の国々では中国離れが起きているような印象を受けるのが、リトアニアとベルギーということになるだろう。

いろいろ調べてみると、リトアニアは以前から中国との関係が、悪化していたようだ。
2018年にベルギー国内で、中国人産業スパイが逮捕されるということもあり、それなりの注意を払ってきたはずだが、今年に入りベルギーの中国への疑念がますます強くなり、今回の「スマホ疑念」へと繋がっているのでは?という、気がしている。

その背景にあるのは、世界中で暗躍している「産業スパイ」の存在だろう。
「スパイ」と言っても、映画「007シリーズ」のような人の場合もあれば、リトアニアやベルギーが警戒をしている「スマホ」等の工業製品を使った情報の抜き取り、という場合もある。
今や「スパイ=人」という時代ではないのだ。
元々中国は「(表向きはしていないコトになっている)言論統制」の為に、様々な方法で中国国民の情報収集をしていた。
その延長線のようなカタチで、世界に展開をしている位の感覚なのではないだろうか?

それだけではなく、今の中国は「世界の覇権者・中国」を、目指そうとしている感がある。
この異様なまでの「China as No.1」的思考が、欧州だけではなく米国やアジア諸国に警戒心を抱かせ、中国離れを起こしているのでは?と、考えている。
しかしながら「世界の工場」として、既にその地位を確立した中国側は「世界の工場」という立場を優位にし、様々な方法で「スパイ活動」を安易にさせている、ということなのではないだろうか?

自国益を守るために、欧州諸国の中国離れが始まっているとすれば、今後日本はどう考えるのだろう?