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菅総理退陣で問われる、野党の実力

2021-09-03 20:27:39 | アラカルト

今日のお昼に、菅総理が「自民党総裁選に出馬しない」という、ニュースがあった。
その直後、9月末を持って辞任する、というニュースへと発展した。
任期が切れる総裁選に出馬しない、ということはその時点で辞任する、ということでもあると思われるのだが、その直後から自民党内からは、これまで「総裁候補」と名前が挙がっていなかった人まで「総裁選に出る」と言い始めたようだ。

高市氏や野田氏は「女性初の総裁=女性初の総理大臣」を狙っているのかもしれないし、ジェンダーギャップが先進諸国の中で最低、という不名誉な順位を回復する起爆剤、という意識もあるのかもしれない。
ただ、同じ女性として見たとき、大変申し訳ないのだが「自民党総裁の器」に成れたとしても、「総理大臣の器」なのだろうか?という、疑問を感じてしまう。
かつての社会党を率いていた土井たか子さんや、市民運動家として活躍をし、その後政治の世界に飛び込んだ市川房枝さんのような「意思や政治ビジョン」のようなものを、感じないからだ。

と同時に、今の選挙民は「自民党に期待しているのか?」という、疑問もある。
安倍さんが総理になり「アベノミクスで景気回復!」と打ち上げたが、2017年の調査ではあるが、生活基盤となる平均賃金は、OECD諸国の中でも平均以下というのが現状だ。
OECD:平均賃金

このような調査が発表されるたびに、「非正規雇用者が多いため」と指摘されているが、逆に言えば「企業が非正規雇用者しか雇えない」という状況にある、ともいえるのではないだろうか?
他にも安倍政権では「モリカケ問題・桜を見る会問題・広島県選出の河井夫妻に対する選挙資金疑惑」等、様々な疑惑や問題を、権力者として「無いもの」にしてきた。
そこへ「新型コロナウイルス対策」の失策が続いた、という状況が今の自民党政権に対する生活者の印象であり、不信感でもあるのだ。

とすると、今回の「総裁選」で重要になってくるのは、野党なのでは?という気がしている。
「何でも反対、野党」などと揶揄され、今やその存在感も「???」という感じの野党だが、野党内での主導権争いをしている場合ではないはずなのだ。
もちろん、政党としてのビジョンや考えはとても重要だ。
しかし「絵に描いた餅」のようなビジョン等は、聞きたくないというのが、有権者の本音なのではないだろうか?
具体性があり実現可能なビジョンを、打ち出してほしいのだ。
その中には「皇位継承」という問題も含まれている、ということを忘れて欲しくはない。

ジェンダーギャップを無くすための「女性起用」ではなく、米国のバイデン氏を支えたような女性たちを政党としてサポートし、活躍の場を与えることで、自然と社会の目はそのような女性たちに注目するようになる。
そのような「女性政治家」の登場を待っているし、活躍できる社会を野党として実現するために「何が必要で、どのようなコトをすれば実現できるのか?」という話をして欲しい。
それは、経済の問題においても、「新型コロナウイルス対策」にしても同じことのはずなのだ。