昨日、「久しぶりに聞いたな~」と思う言葉を、ニュースで聞いた。
それが「日銀介入」だ。
久しぶり過ぎて、以前「日銀介入」という言葉を聞いたのか?と思えば、24年も前だった。
朝日新聞:政府、日銀が24年ぶりの円買い為替介入 財務官「断固たる措置」
財務官の「断固たる措置」という言葉から、相当な危機感を持って円安傾向を抑えようとした、意思が伝わってくる見出しだ。
何故ここにきて、日銀が円安傾向に歯止めをかける為に、介入したのか?と言えば、「これ以上の円安が続くと、日本経済に与える影響が大きい」と判断したからだ。
そんなことは、拙ブログで言わなくても、わかっていらっしゃる方ばかりだろう。
では、何故今まで「円安傾向」の野放しにしてきたのか?という、疑問が次に出てくる。
これまで言われていたことの一つに、「輸出産業にとっては、メリットが高い」という点があった。
ここでいう「輸出産業」とは、今や日本経済の屋台骨となっている、自動車産業等のことを指していた。
しかし、日本経済が強くなってきたころから、「日米経済摩擦」という問題が起き、その矛先となったのは自動車産業だった。
そのため、自動車メーカーは積極的に現地法人をつくり、日本から輸出をするのではなく、消費地となる現地で自動車をつくり・販売をするという体制を整えてきた。
今や「自動車産業」は、日本の輸出産業の中心ではなくなったのである。
とすれば、どのような産業が「輸出産業の中心なのか?」ということになる。
残念ながら、そのような産業がパッと思いつかないというのが、現状なのではないだろうか?
1980年代までであれば、半導体などがあったはずだが、ご存じの通り日本の半導体産業は、台湾をはじめとする諸外国から遅れを取ってしまい「日本一人負け」のような状態になってしまっている。
家電にしても、多くは海外で生産されたものを日本のメーカーの名前で、販売されているというのが現状だ。
逆に、日本の生活者は様々な輸入によって支えられている。
食品原材料しかり、電力をはじめとする様々なエネルギーなどなど、円安が進めば直接的に打撃を受けるのは、生活者という状態にある。
実際、円安傾向になってから様々な商品やサービスが、値上げされている。
生活に直結する商品やサービスの値上げは、実質賃金が上がっていない日本では、「景気の冷え込み」になってしまう。
だからこそ、日銀が円安傾向に歯止めをかける為に、為替介入をしたのだ。
考えなくてはならないのは、「何故、急激な円安いになったのか?」ということだと思う。
米国をはじめ、欧州でも金利を上げている。
先進諸国の中では、日本だけが「0金利政策」を続けている。
日銀の黒田総裁は、「0金利政策を続ける」という趣旨の話をしている。
NHKニュース(7月21日付):日銀 黒田総裁「金利引き上げるつもりはない」金融緩和継続方針
「金利を引き上げれば、円安傾向が収まるのか?」という点においては、なんとも言えない部分が多いと感じている。
というのも、政府から明解な「経済政策」が打ち出されていないからだ。
そのような、日本から発信されるべき「経済政策」が全くと言っていいほど無い、ということが問題なのでは?という気がしている。
「アベノミクス」による、大企業に対する税優遇措置の見直しなどを含め、抜本的な「日本経済対策」が政府から発信されない限り、この傾向は続くのではないだろうか?
最新の画像[もっと見る]