帰省をすると、様々なヒントを得ることがある。
年々寂れていくばかりの駅前商店街に、商店街にあった古いお店を改装し、若い女性がジュース専門店を開業した、というニュースがあったりした。
若い女性が、シャッター街と化している商店街で、しかも古いお店を使ってジュース専門店を開業する、というのはちょっと驚きだった。
地域活性化を兼ねた支援資金援助等を得ての開業なのだが、この先経営し続けることができるのだろうか?と、心配してしまうほど、駅前商店街はさびれている、と言っても過言ではないかもしれない。
特に、商店街にあったアーケードの屋根を取り払った後は、シャッター通りと化していたこともあり、「商店街」という雰囲気すら感じられなくなっていた。
立地という点だけで考えれば、なかなか厳しい事業のスタートなのでは?と、心配するほどだ。
そのような心配をご近所の方に話したら、案の定…というか、想定内の答えが返ってきた。
それは「多分、行かないと思う」という言葉だった。
では「行くとしたら、どんな条件?」と、畳みかけるように聞くと、「駐車場があればね」という答えだった。
東京の住宅地の私鉄沿線のような環境とは違い、「駅に行く」為の交通手段がクルマになっている地域では、「駐車場がない」という理由だけで、行きたいという気持ちにはなれないのだ。
例えおいしい食事処があったとしても、「出かける」という気持ちを起こさせるのは、駐車場の有無なのだ。
これまで「駅前の商店街」という立地だけで考えていたのだが、「その駅前に行く」為にどんな行動をするのか?という視点がすっぽり抜け落ちていたような気がしたのだ。
想像でしかないのだが、日本各地にあるシャッター街と化した駅前商店街は、同じような状況なのでは?という、気がしたのだ。
とすれば、駅前という立地の思い込みを外して、商店街そのものを「平場のショッピングモール」と考える必要があるのでは?と、思ったのだ。
もちろん、既存のショッピングモールのような雰囲気にはならないが、その分個々の店舗の個性というものが出しやすくなるはずだ。
老舗といわれるお店であれば、老舗らしさに新しさというエッセンスを足す。
新規事業体であれば、古い商店街に新しい息吹を吹き込ませるようなアイディア。
そのような「個々のお店の個性の集合体」としての「ショッピングモール」という、発想の転換が必要なのでは?ということなのだ。
それを支える一つの条件として、集約的な「大型駐車場」がある事で、「駅に出かけた次いでに買い物をする」という目的ではなく、「商店街そのものに遊びに行く」という感覚になっていく可能性があるのではないだろうか?
米子の駅前というのは、飲食店が乱立している感がある。
その多くは、出張等のビジネス需要を見込んでいるのでは?という気はするのだが、今後もビジネス需要が続くとは限らない。
とすれば、「コロナ禍後」を見据え車で来ても駐車場の心配をすることなく車が置け、帰りは駅前からタクシーで帰ればよい、という安心感の提供ということにもなるのでは?
翌朝、駅前まで公共交通機関で来なくてはいけない、という問題はあるのだが・・・。
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