日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

衰退する日本の姿?

2013-08-19 20:03:16 | 徒然

長いお盆休みをいただきました。
その間にも、拙ブログにお越し下さる方がいらっしゃり、感謝しております。

長いお盆休み期間中、実家のある鳥取県米子市に帰省していたのだが、街が寂れていく姿が加速度的に進んでいるような気がした。
その大きな原因は、企業の撤退。
随分前、JRの管理局(?)が変わり、それに伴い多くのJR職員が転居した。
転居したのは、職員だけではない。
その家族も一緒に転居をした。
直後の米子市の人口は相当数の減少だったという。

そしてしばらく前には、NTTの支店も閉鎖。
産業らしき産業が目立ってない地域なので、JRやNTTのような企業が去ると、とたんに地域経済が大きく揺らいでしまう。
「人口減少」と言うだけでは無く、これらの企業に勤め、現在現役を退いている人達(=高齢者)だけが、残っていると言う状況になってしまう。
言い換えれば、税収は増えず・医療費などの社会保障支出だけが増えていく・・・と言う状況に陥っている。

先月「デトロイトの破綻」が話題になったが、税収が増えず医療費などの社会保障費が増え続けている自治体というのは、実は日本にも数多くあるのではないだろうか?
その典型的な例が、企業の撤退による現役世代の流出と、残されたOB高齢者、と言う地域なのでは?と言う気がする。

そしてこの様な地域の問題は、単に人口構成という問題だけではなく、その地域の自治体そのものの閉鎖性ということも大きいと感じている。
地方行政で「何か新しいこと」と考える時、多くの場合「(大)企業の工場誘致」というケースがほとんどだからだ。
その「大企業」そのものが、海外進出に伴い国内事業を縮小したり、業績不振による事業の縮小ということが、当たり前の様に起きている。
にも関わらず、地方行政の発想は「企業誘致」。

その発想に陥る要因は、おそらく「多くの雇用をつくる」というコトがあるからだろう。
新しい産業を生み出し、育てる・・・そんな余裕が地方にはない、と言うコトも実感した。

しかし、その姿は地方だけの姿だろうか?
そんな不安を感じながら、昔ながらの「お盆行事」に明け暮れた、お休みだった。


大人の女性の靴選び

2013-08-08 16:03:48 | マーケティング

日経新聞の新製品の記事に、チョット目を引く記事があった。
日経新聞:足が細身の女児むけ靴 アシックス

この記事を読んで「で、それで何?」と思われる男性は多いかも知れない。
実は、女性にとって「靴選び」というのは、美容的な意味だけではなく健康面でもとても重要なのだが、日本の場合、デザイン重視ということもあり、足に合わない靴をはき続けた結果、足にトラブルを抱えている女性と言うのは、とても多い。
かくいう私も、その一人
だ。

この様な文章を読むと、「あぁぁ~、外反母趾でしょ」と思われる方がほとんどだと思う。
私の場合、外反母趾では無い。
むしろ専門店では、「外反母趾にならない足」と言われている。
一体何が問題なのか?と言うと、足幅が極端に細く甲が薄いのだ。
もう一つ付け加えるなら、見事な扁平足でもある。
その結果、普通では考えられないようなところに「まめ」ができたりする。
「それくらい我慢すれば」と言うレベルだと思われるかも知れないが、足首に負担がかかり、膝から下の筋を痛め、整形外科通い・・・と言う経験を過去何度かしている。

ここ20年くらいで、女性の靴と言うのは随分サイズ展開が変わった。
それが上述した「外反母趾」という問題だった。
極端に先が細い靴を無理やりはき続けることで、足の親指が「くの字」に内側に曲がってしまい、重症化すると、歩行にも支障をきたすと言われている。
一時期、タレントさんたちが「外反母趾で辛い思いをしている」と話題になり、その頃ぐらいから、婦人靴のワイズ=幅が、E~2Eが標準として扱われる様になった。
と言っても、このサイズ展開が中心となったのは、婦人靴でもいわゆる「OL~ミセス向け」が中心。
今でも若い女性を対象とした靴は、先が細かったり、靴底が安定していない「デザイン重視」のものが多い。

ところが、私のようなワイズがE以下(専門店で計測をしてもらった結果、私の足幅はCもしくはBらしい)の女性が増えつつある様なのだ。
これまで「日本人女性の足型に合わせて」作られていたはずの、靴が実は生活環境や体つきの変化で、合わなくなりつつあると言うことになる。

今回、アシックスが子ども向けにこの様な靴を発売する、と言うことは既に私のような足の子ども達が随分増えつつあり、顧客からの希望が多いと言うことだろう。
特に「靴の履き始めの靴選びは、とても重要」と言うのが、欧米での認識。
デザインでは無く、しっかり歩くための靴を選ぶ第一歩と言うことのようだ。

そう考えると「日本の婦人靴」というのは、「売れるデザインの靴」ばかりを求めてきたような気がする。
やはり、靴の本来持つべき機能を考えれば、「歩くこと」をまず考えるべきだろう。
日本はファッションだけでは無く、プロダクトデザインを含めとても機能的で美しいデザインが多いのに、何故か靴だけはそうではない。

これからは「大人の女性がキレイに見える」だけでは無く、個人の問題点をある程度カバーできる靴という発想が必要な気がする。
そしてその様な靴を作れる、デザイン力と製造力をもっていると確信している。

お知らせ:明日から1週間程度お盆のため帰省いたします。
      ブログの更新がなかなか難しくなります。
      ご理解のほど、よろしくお願いいたします。
拙ブログに来られるみなさまも、良いお盆休みをお過ごし下さい。


ご当地ゆるキャラも次世代?

2013-08-06 20:16:10 | トレンド

彦根城のひこにゃんは、言わずと知れた「ゆ「るキャラ界のプリンス」である。
このひこにゃんの成功で、全国各地に「ゆるキャラ」が登場し、地方の観光などに一役かっている。
しかし、その「ゆるキャラ」もどうやら次世代に入ったようだ。

今日、百貨店協会主催「ご当地キャラ総選挙」の発表があったようだ。
タイトルをご覧になってわかると思うのだが、AKB48の「総選挙」をお手本?に、総選挙方法で、優勝を決定したようだ。
既に新聞各紙で取り上げられているので、ご存じの方も多いと思うだが、見事優勝を果たしたのは船橋市の「非公認キャラ・ふなっしー」。
毎日新聞:ご当地キャラ総選挙「非公認だけど・・・ふなっしー初代王者に」

この「ふなっしー」、見出しにあるとおり船橋市の公認ゆるキャラではない。
むしろ、船橋市からは迷惑な存在の様に扱われているきらいがある。
その理由として「舟橋市は、確かに梨の産地ではあるが、他にも沢山名産品がある」と言うことのようだ。

ただ、「ふなっしー」の場合、これまでのゆるキャラに見られたような「のんびり・ゆったり」と言う感じではなく、とても行動的。
以前、youtubeで「ふなっしー」が踊っている動画を見たことがある。
秋葉辺りだろうか?「インディーズ系?のアイドルを応援するふなっしー」と言うことだったのだが、アイドルを見に来ているはずの人達が、アイドルではなく独特の振り付けで応援するふなっしーに釘付けだった。
非公認であるがゆえに、神出鬼没。
市が公認を拒否すればするほど、ふなっしーの存在が目立つ、と言う行政側にとっては、痛し痒しというキャラだ。

そして残念ながら2位になってしまった、岡崎市の「オカザえもん」
こちらは由緒正しき市公認(「岡崎市アート広報大臣」を拝命している)のようだが、その容姿というか・・・存在感がありすぎる顔。
今年3月で引退をした、岐阜の柳ヶ瀬商店街のゆるキャラ「やなな」に勝るとも劣らない
、強烈な印象がある。
そしてこちらも、神出鬼没らしい。

ひこにゃんに代表されるような、「のほほん、ほんわか」系のキャラから、どこか強烈な個性を持つご当地キャラへと変わっている様なのだ。
と言うことは「地方キャラで地域を活性化」と考えるのであれば、ゆるキャラを作ると言うよりも、如何にその地域をPRできる個性をもたせるのか?と言う考えに変わってきた、と考えられる。

そこで考えてみると、キャラクターは個性化していくのに行政の多くは、未だに東京に目が向いたままなのでは?
東京をモデルにしても意味が無い、と言うことは十分分かっているはずなのに、地方行政の一番の成功例として、東京を見ているような気がするのだ。
大切な地域の資産は、足下にあるというのに・・・。


 


成功体験から抜け出ることの難しさ

2013-08-05 11:03:26 | ビジネス

「docomo一人負け」と言われて久しい。
そのきっかけとなったのは、iPhone(=スマートフォン)の登場だったと思う。
それだけ、iPhone登場というのは衝撃的だった、と言うことなのだが、それだけの理由でこれほど「一人負け状態」が続くだろうか?
 
そんなコトを考えていて、思い当たることがあった。
それがdocomoが経験した、「IモードやFOMA」という成功体験で、それを後押しするコトになった、10年あまり前当時の経産省の肝いりで始まった「ユビキタス研究会」のような研究会だ。

「ユビキタス」と言っても、今のお若い方は知らないと思う。
「ユビキタス=いつでも・どこでも・自由に・誰もが情報にアクセスできる」と言う、新しい社会基盤と言う考えで、経産省が中心になり民間企業ではNTTや携帯電話メーカーなどを巻き込んだ「研究会」がだったと記憶している。

スマホを利用しているお若い方にとって、「それなら、スマホ1台あれば実現できる」と思われるだろう。
そうなのだ、当時考えられていた「ユビキタス社会」の多くは、スマホの登場で一気に解決できるようになってしまったのだ。
昨日、「スマホでプリウスを誤作動させることができる」というニュースがあったが、悪用すれば故意的誤作動による事故を遠隔操作でできる様になってしまう。
このとことは、スマホが「様々な遠隔リモコン」になる、と言うことも証明している、と思う。
スマホが登場した頃は、この様な「遠隔操作リモコン」ということは、考えられていなかったと思う。
訂正:上述の「スマホで自動車の誤作動」ではなく、「ハッキングによる誤作動」でした。ただ、「無線でもハッキングは可能」という内容でした。
    訂正をさせて頂きます。

ただ、この様なことが自在にできる未来=ユビキタス社会を真剣に考えていたのは、10年あまり前の話なのだ。
それに先駆け登場したのが、NTTdocomoの「iモード」であり「FOMA」だった。
もちろん、auやSoftBank(おそらく当時は、J-フォン→ボーダフォン)も指をくわえて見ていた訳では無いが、docomoの「FOMA」は圧倒的に強く、auやSoftBankは全く太刀打ちができなかった。

その後、Appleの「iPhone」が登場したコトで、一気に「FOMA」が時代遅れになってしまう。
それにいち早く対応したのがSoftBankで、追従するようにauやdocomoがサムソンの「Android」を投入することとなった。
その中でも一番対応に後れた感があるのが、大ヒット商品「FOMA」を持っていたdocomoだったような気がする。

docomoだけでは無く、日本のメーカーも「FOMA基準」という感覚から抜けきれない出いる、と言うこともあるのではないだろうか?
もっともこの春のdocomoの「ツートップ戦略」が残念な結果になったコトで、メーカー側も最終的な判断をせざる得ない状況になってきているようだが。

iPhoneの登場から約5年。
5年という歳月が短いか長いかはわからないが、docomoは未だに「FOMA」の成功体験から抜け出ていないような気がするのだ。

 

 


 


男の日傘

2013-08-03 19:50:14 | ライフスタイル

梅雨明け直後のような猛暑ではないが、暑い毎日が続いている。
焼け付いたアスファルトで舗装された道を歩くだけで、汗が噴き出るようだ。
そんな街中で、今年の夏目立つ光景がある。
それが「男性の日傘」だ。

もちろん、ビジネス街や繁華街のような場所では目にすることは無いのだが、住宅街に入ると、案外日傘を差している男性の姿を見かける。
日傘を差している男性は、比較的高齢者に多い。
実際に日傘を差して歩くとわかるのだが、日傘を差して歩くと案外涼しいのだ。
もちろん、アスファルトの照り返しなどはあるのだが、直射日光を遮るだけではなく、最近の日傘はハイテク繊維技術の集まりのような素材が使われていている。

例えば「UVカット率」。90%以上は当たり前。UVカット+αが、女性の日傘選びのポイントになりつつある。
それが「遮熱」という機能。
この「遮熱」という機能が加わったことで、日傘に新しいベネフィティングが加わった様に思う。
UV対策という点では帽子という選択肢もあると思うのだが、帽子では「遮熱」という効果は期待できない。
何故なら、直接頭に被るからだ。
そこで求められる帽子の機能は「むれない」ということになる。
何より、日傘は日陰を作る面積が大きいのに対し、帽子は顔周りに限られる。
スッポリと体に日陰を作る日傘のような涼しさは、帽子には期待できない。

そう考えると、体力的にも落ちてきている高齢の男性が日傘を差して歩く、と言うのは案外理にかなったことかも知れない。
2,3年前くらいから、東急ハンズでは「男性が持っても、違和感の無い日傘」タイプの日傘を売り出している。
男性が購入している姿は見たことは無いが、私が見かける男性の日傘はこの様なシンプルなタイプが多い。

もしかしたら、10年後位には「男性が日傘を差して歩く」ことが、当たり前になっているかも知れない・・・そんな気がする高齢男性の日傘姿だ。

 


麻生さんの発言って・・・

2013-08-02 19:39:52 | 徒然

麻生さんの「ナチス発言」が、波紋を呼んでいる。
自民党の総理経験者も、暴言を吐く人物がいることが判ったコトで、案外、民主党はホッとしているかも知れない。
ただ、麻生さんの発言と鳩山さんの発言とでは、随分内容が違う。

鳩山さんの発言は、「日本人として、その発言はないでしょ!」という内容が多い。
東アジア諸国というか隣国への気遣い、とご本人は思っていらっしゃる様だが、その気遣いの方向がとんでもない方向に向いている様に思う。

そして麻生さんの発言は、「政治家としてその発言はないでしょ!」という場合が多い。
どちらも政治家生命に関わりそうなことだが、その意味では「暴走老人」こと石原さんと似たところがあるように思う。

ただ、今年の初めに問題となった麻生さんの「死にたくても死ねない・・・」と言う発言は、ある意味真を突いている発言だと思う。
それは高齢者が救急搬送された場合、今の日本の医療側の立場としては「命を救う」ということが最優先される結果、自発呼吸もできず、意識も無いまま人工呼吸器や点滴、胃瘻などにより、何年も生きながらえることになってしまうからだ。
一度付けられてしまった人工呼吸器や点滴、胃瘻などは、その人が亡くなるまで付け続けなくてはならない。
医師の判断で、取りやめれば「殺人行為」と見なされる可能性が高いためだ。
人工呼吸器や点滴、胃瘻だけのように思えるが、胃瘻や点滴をすれば、当然排泄という現象が起きる。
その為に尿管には管を付け、ビニールパックにため、おむつをする・・・と言う状態になってしまう。
結果、患者さんの体には様々な管が取り付けられ、その様な姿を見ると、多くの人は「こんな姿になってまで、生きたくない」と思うのだ。
しかしその様な状況で、生きながらえている人が現在20万人もいらっしゃると言う。
その人達の多くは、高齢者で医療費そのものもほとんど税金でまかなわれている。
皆健康保険制度そのものはとてもよくできた制度だからこそ、起きてしまう医療費のパンクの要因の一つとなっている、と言われている。

そして今回の「ナチス発言」だが、ヒットラーを選挙という方法で選んだのは、当時の独の人達だった。
そして、「国民の信託を受けた」ということを理由に、ヒットラーは自分の都合の良い法律にして、多くの人達を迫害した。
これは、味方を変えると先の選挙で自民党を大勝させた、私達と似ているところはないだろうか?
折しも、麻生さんが発言したように、安倍内閣では「憲法改正」の動きが出ている。
「憲法改正」が悪いのでは無く、ヒットラーが行ったように「国民の信託を受けた」と言う理由で、勝手に都合の良い様に国民の多くが知らない(あるいは理解していない)間に、作り替えてしまう可能性を含んでいる、と受け止めることもできると思う。

政府というか自民党は、麻生さんの「ヒットラー発言」の火消しに懸命のようだが、私達はむしろ、麻生さんの真意を知り、考える必要があると思う。