日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

ある女性週刊誌に掲載されていた意識調査

2014-04-15 20:19:08 | アラカルト

今朝の新聞に掲載されていた週刊誌の見出しを見ていたら、「オヤ!」と思う記事があった。
某女性週刊誌の見出しで、何かと話題になっているSTPA細胞の小保方さんについての記事だ。
正しくは、先日小保方さんが開いた会見についてだ。

思わず書店で立ち読みをしてしまったのだが、「なるほどな~」と思うところが多くあった。
それが女性であっても、小保方さんの記者会見に対して、世代で随分と印象が違う、と言うことだ。
小保方さんの記者会見だけではなく、その前の理化学研究所の会見も含めての女性の印象、といったほうが良いのかも知れない。

目を引くのが、小保方さんに対しての好感度。
50代以上を中心に「あれだけの記者会見を一人でやったのは、偉い」とか「一人で信念を曲げずに堂々としている」という、好印象を持つ傾向がある様だ。
それに対して、小保方さんと同世代は「間違いがあるなら、素直に認めるべき」といった、やや冷ややかな見方をしている。

この50代以上の小保方さんに対する印象と小保方さんと同世代の印象が随分違う、と言う点に注目すると、一つのキーワードが見えてくる様な気がする。
それは「男女雇用機会均等法」だ。
今の50代以上の女性は、「男女雇用機会均等法」以前に社会に出た女性達だ。
私もこの世代なのだが、「女性が男性と肩を並べて仕事をする」と言うこと自体、とても難しい時代だった。
まさに「仕事をとるか結婚をとるか」という、選択を迫られるような時代だった。
女性社員が男性社員と同じだけの評価を得ようとすれば、少なくとも男性社員の1.5倍くらいの成果を上げなくては、評価されなかった。
逆に言えば、男性社員は75%程度の成果でも、評価対象となった、と言う時代たった。
男性社員をライバル視する、と言うよりも「男性だから」というメリットをまざまざと感じながら仕事をしていた世代だと思う。

一方小保方さんと同世代は、「男女雇用機会均等法」が努力目標では無くなり、法律として機能し始めた世代だ。それだけではなく女性も男性も「多様な働き方」を模索し始めた世代でもあると思う。
また、「男女雇用機会均等法」のマイナス面が出はじめた世代だと思う。
「女性も男性並に仕事をするのが当たり前」と言う意識だ。
仕事も結婚も当たり前なのだが、仕事も家事も育児も私がするの?!と社会的雰囲気の中で、疲弊し始めている女性が多いと言う現実も見えてくる。
だからこそ、小保方さんに対して厳しい見方をするのかも知れない。

その違いにこそ、女性と社会の関わり方や意識の変化なのだと思うのだが・・・男性諸氏には、世代別の意識調査というのは、興味のないことだと思う。
「女同士の世代間の意見の食い違い」と言う程度にしか思っていないのでは?

ちなみにこの女性週刊誌の見出しは、「緊急!主婦100人インタビュー 男は逃げるだけ!」だった。
おそらくインタビューの回答した女性の多くが、理化学研究所の会見が「逃げている!」と、が感じたのだろう。
印象の大切さも、感じた記事だった。


ユニクロは何処へ向かうのだろう?

2014-04-14 20:10:38 | ビジネス

新聞社のWEBサイトに、ファーストリテイリングが「キャスキッドソン買収か?」という記事があった。
毎日新聞:ファーストリテイリング英国の人気雑貨ブランド買収か?

この記事を読みながら、ユニクロは一体どこへ向かうのだろう?と、考えたのだった。

と言うのも、この春から新しいラインナップとして、イネス・ド・ラ・フレサンジュとのコラボ商品を出している。(注意:サイトを開くとイネスのインタビュー音声あり)
イネス・ド・ラ・フレサンジュと聞いて、ある種の憧れを持たれる方は、おそらく私と同性代以上だろう。
と言うのも1980年代、シャネルのトップモデルとして大活躍をした女性だからだ。
スーパーモデルの象徴的なモデルだった、と言ったほうが良いかも知れない。
モデルを辞められた後は、、ご自分のブランドを立ち上げたと言う話も聞いてはいたが、パリコレの様な華やかなステージで、作品を見ることは無かった。

そんなイネスの名前をユニクロで見た時には、正直驚いた。
ファッションアイコンとして活躍をしてきた彼女が、ファストファッションのユニクロとコラボする、と言うのは何故だろう?と言う疑問符ばかりが付いていた。
そしてコラボ商品を見たとき、何となく納得もしたのだった。
理由は、彼女が日頃好きなファッションと言っていた、とてもシンプルで着やすそうなデザインだったからだ。
ただ、私のようにイネスを知っている世代と、そうでは無い世代とでは、その商品に対しての見方が随分違うだろうな~と、思っている。

そして今度は「キャス・キッドソン」だ。
個人的には、何故ビニールコーティングのバックが、高いのか?と思っているのだが、若い女性を中心に、人気があるブランドだ。
ユニクロからの支援を受けなくてはならない、と言う事情も余り感じられない。
もしかしたら「キャス・キッドソン」人気というのは、日本が中心で本場とは違うのか?と思わないではないのだが、それにしても、商品と価格のバランスを考えると、ファストファッション向きという気はしない。

にも関わらず、買収という話が出てくると言うことは、ユニクロの商品傾向を変えていくつもりなのか?とも感じる。
ファストファッションの中でも、比較的高級志向へシフトしたい、と言う気持ちの表れなのか?と言うことだ。

ユニクロ自体、これまで若手デザイナーを起用し、モード感のあるファストファッションを提案しようとしたりしてきたが、成功したとは言いがたい、と言う状況が続いている。
話題となったジル・サンダースとのコラボも、何となく中途半端で終わってしまった感がある。
ファストファッションの高級志向へシフト、と考えると何となく判る様な気がするのだが、そもそもファストファッションと高級志向というのは、共存できるとは思えない。
それをあえてチャレンジしようとしているとすれば、今後も注目していく必要があるだろう。


次々と卒業をしていくAKB48のメンバーに思う

2014-04-13 22:26:14 | アラカルト

Yahooのトピックスを見ていたら、AKB48のメンバー・菊池あやかさんが卒業されるらしい。
AKBの活躍めざましい頃から、テレビのない生活になってしまったため、菊池あやかさんと言われても、顔が思い浮かばない。
そもそもメンバーの人数が多く、姉妹グループやら入れ替えがあり、興味の無い私にとっては、誰が誰やら、顔を見てもわからない。

ただ最近、AKB48のメンバーの卒業という話題を、よく聞くようになった気がする。
センターだった前田敦子さんや大島優子さんくらいは知っているので、「後輩に席を譲る」というコトなのかな?と思ったりしていたのだが、今年になってからセンターというか、中心的メンバー以外のメンバーの卒業という話題を聞くようになった気がする。
あくまでも私の気だけなので、本当のところはわからないのだが、「卒業」という名目のグループ脱退が続くと言うことは、AKB48やその姉妹グループにとってどのような意味があるのだろう?と、考えたのだ。

一つはグループの代謝を上げる=常に新しいイメージを創りつづける、と言うことが目的だろう。
センターだった前田敦子さんや大島優子さんをはじめとする初期のメンバー(だと思う)それぞれが、独立をしそれぞれの希望する芸能活動を始めれば、当然新しいメンバーを加える必要がある。
新しいメンバーを加えなくては、AKB48とその姉妹グループは先細ってしまうだろう。

それとは別に感じることは、とても穿った見方かも知れないが「話題づくり」ということなのかな?と言う気がしている。
これまでAKB48は、「総選挙」とか「ジャンケン大会」など、様々な話題をつくり、その度ごとに注目を集め人気を得てきた、と言う印象がある。
違い言い方をするなら「秋元商法」と呼ばれる、「話題づくり+CDのリリース」と言うセット販売だ。
実際、「総選挙」直後の中古CDショップに行くと、AKB48のリリースしたばかりのCDが投げ売り状態で売られていた。
もちろんCD売上げに関しては、驚異的な枚数を売り上げるため、売上げを対象とした音楽賞は受賞していたのだが、音楽的評価となるとどうだったのだろう?

そして、この様な話題づくりに対して、疑問を持たれる様になってきたのも確かだろう。
となると、次に創る話題というのは「卒業」というイベントなのかな?と言う気がしてくるのだ。
人の関心というのは、移ろいやすい。
それをつなぎ止めておく、と言うのは並大抵のコトでは無い。
だからこそ、様々な商品を提供する企業は苦労をしている。
AKB48を企業と同じ様に考えることには、抵抗感があるのだが、これまでもプロデューサー・秋元康さんを見ていると、そんな気がしてしまうのだ。


メンターの重要性

2014-04-11 21:18:35 | アラカルト

「STPA細胞」騒動がまだまだ続く中、小保方さんの研究の共著である大学の先生が「論文の撤回」を進めている。その一方で「STPA細胞は確かに成功している」と言う、理化学研究所の上司(だったと思う)の方が記者会見を予定している、と言う話もある。
素人からみると、「ドタバタ劇」を観ているような気になってしまう。

記者会見を予定しているらしい?理化学研究所の方は、小保方さんの上司にあたる人物のようだが、何故理化学研究所の調査の時に、その様な趣旨のコトを言わなかったのだろう?
理化学研究所の結論は「小保方さん1人でやった捏造」というニュアンスだった。
と言うことは、この上司の方は調査の時には何をしていたのだろう?
「関係者」と言う理由で、調査から外されていたのだろうか?
調査から外すにしても、理化学研究所の他の研究者がこの調査をし、結論づける程実験内容を理解していたのだろうか?と言う疑問が次々とでてくる。

そして小保方さんの上司となる研究者は、小保方さんにとって「メンター」という役をしていたのだろうか?と、疑問に思うのだ。
小保方さん自身が「ユニットリーダー」という役だったことを考えれば、研究グループの責任者というコトになると思う。とは言っても30代の若い研究者だ。いろいろな意味で「サポートをし、指導をするメンター」のような役割の上司は、いなかったのだろうか?と言う疑問だ。

理化学研究所の様な組織では、研究そのものが個人プレーのような傾向が強いのかも知れないが、「研究者」として育てると言う責任も組織としてあると思う。その様な責任を感じたからこそ、野依所長をはじめ理化学研究所の偉い方々が、「お騒がせして申し訳ありません」と、頭を下げたのだろう。
しかし、今のドタバタ劇を観ていると、「小保方さんを研究者として育てる」という意識があったのだろうか?と、疑問に思ってしまうのだ。

これが企業であったらどうなのだろう?
日本の企業も随分「社員を使い捨てる」傾向が強くなってきている感があるが、ドラッカーが言っている通り「人は資産」だと考えれば、「人材」という資産を増やすための努力は企業として必要だ。人数ではなく、一人ひとりの持っている様々な能力を引き出すことが、今の企業の「人材」という資産には求められてる。その資産を増やす立場が「メンター」という役なのではないだろうか?
その様な役割の人材が、小保方さんの周囲にいたようには思えないのが、とても残念に思うのだ。

もう一つ感じたコトは「再生医療」という分野の研究組織を、一つにまとめた方が効率がよく、ミスも少ないのでは?と言うことだ。
理化学研究所が、基礎中の基礎研究をし、そこから芽生えた様々な分野の研究を、専門研究所へ移動させ、応用研究にまで発展させる・・・そんな組織を超えた柔軟性のある「オールジャパン理化学研究」という発想が必要な気がした。


昨日の小保方さんの記者会見に思う

2014-04-10 15:11:43 | 徒然

昨日の午後、話題を独占したのは「STPA細胞」の小保方さんの記者会見だった。
なんでも、お昼のバラエティー番組が飛んで、深夜になったとか?
個人的には「深夜に放送する意味のある番組なのかな?」と思ったのだが、テレビ局の都合やスポンサーの兼ね合いもあるのだろう。

私はネットや新聞で活字になった内容しか知らないのと、この様な分野には疎すぎるため、会見の内容については何とも言えない。ただ、今日の新聞の論調などを読んで感じることは「STPA細胞」の特許申請は、どうなったのだろう?と言う視点が無かったことだ。
確か「STPA細胞」が公表された時点で、既にハーバード大、東京女子医大などとの共同研究として特許申請をしていたという記憶がある。
いち早い特許申請をした理由は、この様な「再生医療」の分野では国際競争が激しいため、いち早い特許取得が、その後の研究・実用化に大きな影響を及ぼすからだ。
実際、山中教授のiPS細胞の場合、米国の企業から高額な値段で一部買い取っているはずだ。

その様なことがないように、と言うことで早い特許申請をしたのだと思うのだが、「捏造」なのか「ミス」なのかわからない状態で、詳細のデータや実験内容を公開することは、果たしてこの研究にプラスなのだろうか?ということなのだ。
専門家の方々は、「実験内容などについて説明がない」と言う趣旨のコメントを出していらっしゃるようだが、それは特許申請中というコトを考えれば、出せない資料なのでは?
あくまでも素人考えなので、そんなコトはない!と言う専門家もいらっしゃると思うのだが、メディアを含め、全体の論調の中に「特許申請をしている事案である」というコトを、忘れている様な気がしてならないのだ。

それだけではなく、小保方さんの記者会見は専門家から観れば「×」だったかも知れないが、素人目には「○」だったのでは?
と言うのも、小保方さんご自身が1人(←ここが最大ポイント)で、大勢の記者から集中砲火的に質問を浴びせられ、それに動じること無く答えた、と言う姿は、「小保方さん1人の責任にした理化学研究所は、何という組織なんだ!」と、理化学研究所に対して、ネガティブな印象を与えるのに十分だったからだ。
小保方さんご自身は、自分がいる理化学研究所という組織を批判する気は無かったかも知れないが、結果的にはその様な印象を与えるのに十分だったと思う。

それにしても、雑誌を中心にゴシップ記事ばかりが目立つ。
別に小保方さんのプライベートなコトなどは、「STPA細胞」とは関係が無い。
持ち上げたり、落としたり・・・忙しいマスコミの方達だ。


クレームの意味

2014-04-09 20:33:04 | CMウォッチ

地下鉄に乗ったら、あるぶら下がり広告が目についた。
今年1月に、人気俳優さんとカエルのキャラクターを起用し、カエルのキャラクターが未成年者にお酒を飲む様に誘う可能性がある、と言う理由で、テレビCMだけではなく様々な広告媒体から、姿を消した缶チューハイの広告だ。

実は、カエルのキャラクターを起用したぶら下がり広告も見ていたのだが、この広告が未成年を誘うようには思えなかった。
と言うのも、広告そのものに「お酒」と比較的分かり易く目立つ様に書かれていたと言うこと、問題になったカエルのキャラクターが、10代の若者を引きつける様には思えなかったからだ。
もし、カエルのキャラクターがセサミストリートに登場するカエルの「カーミット」のようだったら、問題だったと思う。
しかし私が見た限りでは、可愛げのない皮肉屋風のカエルで、「このカエル(のキャラクター)なら、こんな風に缶チューハイを飲むだろうな」という印象だったのだ。

過去に中止になったテレビCMとして有名なのは、某インスタントラーメンの「私作る人、僕食べる人」と言うキャッチコピーのCMだと思う。
このCMが放送された当時は、女性の社会平等意識が高まり、過激な女性活動家が話題になった頃だ。
その意味で、このCMは時代とそぐわない内容だったと思う。

ところが、今年相次いで中止になったテレビCMは様々な問題が指摘されているコトは確かだが、その理由を知ってもピントこない。
多くの人が不快と感じるのか?と言う点でも、やや疑問な感じがする。
そもそもテレビCMには、ある程度のユーモアというものが必要だと思う。
四角四面の直球ストレートのCMばかりでは、見る側(と言ってもテレビCMそのものを注意して見ている人は少ないと思うが)は疲れてしまう。
見ている側も「クッス」と笑え「おバカだな~」と思えるくらいのゆとりがあるほうが、広告は面白いものが増えてくる。

そう考えると、少しでも自分が気に入らないモノ・コトがあると、すぐに「問題指摘」をして「自分が正しい」と言う感覚を持つ人が増えてきている、と言うことなのかも知れない。
その様なコトが多くなりつつあると言うことは、息苦しさを感じる社会になりつつあるのかな?と考えたぶら下がり広告だった。


40代、50代のファッションと通販

2014-04-08 21:00:17 | ビジネス

定期的に送られてくる通販のカタログだけではなく、新聞などで紹介される通販の商品を見ていると、「若い世代の新聞離れもあってだろうが、40代50代を対象とした商品が随分増えている」という印象がある。

若い世代がネット通販などを利用しているのか?と言うと「どうなのだろう?」と、思うトコロがある。
確かに楽天などのファッションサイトを見ていると、若者向けの商品も数多くあるし、何より価格帯が若い人達でも手を出しやすそうな価格設定になっている。
「それなりに売れているのだろう」とは思うのだが、「なかなか姿が見えてこない」という実感もある。
と言うのも、ファッションのカジュアル化によって、様々な「ボーダーレス」が起きている様な感触があるからだ。
例えば、服装による「ON・OFF」の切り替え。
「どこへ行くのもジャージ」という若者が、最近では少なく無い。
だからと言って、彼らがファッションに興味が無い訳ではない。
彼らなりのファッション表現として、ジャージを着ている、と言うことだ。

それに比べ、40代、50代は「JJ」等の雑誌でファッションを見習った世代。
ここ1、2年で創刊された雑誌もこの40代、50代を対象とした雑誌が目立つ。
それだけではなく、雑誌そのものが「カタログ」の様な役割を果たしている。
有名ブランドの商品が掲載されているだけではなく、ご丁寧に価格まで表示してあり、モデルさんたちも、自分が20代の頃に読んでいた雑誌のモデルさんが中心。
コーディネート指南のようなことまで、記事として掲載されている。
言い換えれば、商品を販売しない「カタログ」のような感じだ。

そう考えると、通販のカタログで対象としやすいのは、やはり40代、50代なのだと言う気がする。
経済的にもゆとりがある、と考えてのことだろうが、それ以上に「個性」と言うより「お手本に習うファッション」に安心感があるからだろう。
だからこそ、購買対象として分かり易く訴求しやすいと考えているのだと感じる。

もう一つは、逆にその様な世代を対象とした商品が、通販くらいでしか買えない、と言うこともあると思う。
婦人服の売り場を歩くと、40代、50代が「着てきれいに見えるファッション」というのは、余り見かけ無い。変にシニアを意識しているか、若いかどちらかなのだ。
その様なスッポリ抜け落ちた感のある世代を、対象にしているのが通販という感じなのだ。

この40代、50代と言うのは、年齢以上に「若さ」を意識しているし、消費行動を注目する必要があると思う。
と言うのも、この様な傾向はこの世代以下に共通する意識だからだ。


まち歩きをしていると・・・

2014-04-07 20:06:04 | アラカルト

随分暖かくなり、まち歩きには丁度良い季節になってきた。
今日、歯の治療で出掛けた帰り地下鉄4駅分ほど歩いて帰ってきた。

季節の移り変わり以上に、まちの様子が変わっているコトに気づいた。
先月まであったと思われる建物が無くなり、いつの間にか駐車場になっている、と言うのは珍しくはない。
まだまだ新しい建物だと思っていたら、いきなり取り壊されている物件もある。
一方、長い間更地となっていた場所に、フェンスが並び重機が入っている場所もある。
おそらくマンションが建つのだろう。

そんなまちの変化だけではなく、「オヤ?」と思う告知も見かけた。
しばらく前から気になっていた、ケーキ屋さんの閉店のお知らせ。
よく読むと「小麦アレルギーが発症した為、ケーキ店を続けるコトができなくなりました」というお知らせだ。
ケーキを作る上で、小麦粉を扱わないと言うのは無理な話だ。
しかしアレルギー症状が出てしまえば、扱うコトはできない。
パティシエとしては、苦渋の決断だっただろう。
ただ、ケーキ店激戦区と言われる地域の中で、この様なお知らせを見たのは初めてだった。
それだけに、びっくりした「お知らせ」だった。

実は3月末頃、京都へチョッと出掛けてきた。
仕事ではなく、遊びで出掛けたのだが、京都の繁華街(四条~御池あたり)を歩いていると、古い建物をリノベートし、新しいお店や事務所が入っているコトに気がついた。
戦時中、京都は焼け野原にならなかったので、随分古い洋館が残っている。
それらの建物を壊すのではなく、リノベートして使っている。
一番驚いたのは、京都市役所の北隣にある旧島津製作所本社のビルだった。
京都市役所も赤煉瓦の重厚な建物。
その北隣にある旧島津製作所本社ビルも立派な大理石が印象的な、クラシックな建物。
その建物の雰囲気を損なうことなく、瀟洒な雰囲気のフランス料理店が入っていた。
食事はしなかったのだが、外見を見るだけでも元々その場所にフランス料理店があったかのような、雰囲気だったのだ。

そう考えると、戦災で焼け野原になってしまった、と言うことだけではなく、日本の様々なまちは、新しいモノを造るコトばかりに熱心で、古い建物の持つ風情のようなものと新しいモノを融合させる様なまちづくりをしてこなかったな~と言うことに気づいた。

確かに新しいモノは、その時代にあっている。
しかし残念ながら、いずれは古くなってしまう。
「スクラップ&ビルド」ばかりでは、その「まちの風情」というモノがなくなってしまう。
「まちの風情」というのは、そのまち(=都市)の歴史のようなモノだと思う。
成長から成熟期に入った日本には、「スクラップ&ビルドのまち」よりも「そのまちの風情という歴史」が感じられるほうが、似合っているな~と感じた「まち歩き」だった。


「あまちゃん」効果

2014-04-06 21:20:31 | アラカルト

昨日そして今日の2日間で、同じ鉄道がニュースになった。
東日本大震災で被災した、「三陸鉄道」の全面復旧のニュースだ。

このニュースを見ていると、一つ気がつくことがある。
それは昨年放映されたNHKの「あまちゃん」との関係だ。
ご存じの通り、「あまちゃん」は「じぇじぇじぇ」という流行語だけではなく、視聴率そのものも高く、終了前には「あまロス」という言葉さえ生まれた。
「あまちゃん」の後に放映された「ごちそうさん」のほうが、視聴率そのものは良かったはずだが、話題という点では「あまちゃん」のほうが多かったのではないだろうか?
ドラマの出来云々というのではなく、話題という点だけを見てみるとドラマ以外の話題が多かったのも「あまちゃん」の特徴という気がしていた。

そして、昨日・今日の2日間で「あまちゃん」の凄さは、「出演者とロケ地との関係」にあるのでは?と言う気がしてきた。
確かドラマ放映中、主演をされていた能年玲奈さんや祖母役の宮本信子さんなどが、ロケ地でのイベントなどに積極的に参加し、被災地であるロケ地が話題になったことが度々あった。
そして今日の復旧イベントでは、ドラマの出演者が駆けつけ、全面復旧の話題に花を添えた。

朝の連続ドラマそのものを見ないので、定かではないのだが「あまちゃん」程、ロケ地と出演者が一体となったドラマは今まで無かったのではないだろうか。
放映中からその様な関係ができているので「あまちゃん」の話題は、「三陸鉄道」の話題であったり、被災地の話題として結びつくようになったように感じる。
実際、今日の完全復旧のニュースを見て、大漁旗で電車を迎える地元の人達の姿を見て、「あまちゃん」を思い出した方もいらっしゃるのではないだろうか?
そして「あ~~、全面復旧。開通をしたんだ」と、ドラマを見ていただけなのに、何故かホッと安心をされた方も数多くいらっしゃるのでは?と、想像している。

それほど「あまちゃん」というドラマが、「三陸鉄道」やロケ地である被災地が地続きになっていた、と言うことだと思う。
結果としてドラマという枠で終わるのでは無く、副産物的かも知れないが、被災して2年が経過し、被災地への関心が薄れそうになるのを止め、逆に興味を持って、集客するような素地を創った様な気がしている。
その意味で「あまちゃん」と言うドラマは、これまでの朝の連続ドラマとは異質な関係をロケ地と創ったドラマだった、という気がしている。


「自撮りマーケティング」って何?

2014-04-04 20:44:51 | マーケティング

Yahooのトピックスに「米ホワイトハウス、サムスンの『自撮りマーケティング』に不快感」と言うAFPの記事を取り上げている。
AFP:米ホワイトハウス、サムスンの「自撮りマーケティング」に不快感

この記事で最初に目に付いたのが、「自撮りマーケティング」という言葉だった。
マーケティングという仕事を長い間してきたが、この様な「マーケティング」があるとは知らなかった。
記事を読めば読むほど「これって、マーケティングですか?」という疑問が湧いてくる。
単に、サムソンが製品を売ろうと、著名人を使いより著名で社会的影響力のある人と、一緒に撮った写真を使って、「サムソン社製は、こんな有名人も使っています」と、宣伝をした、と言うことであって、本来のマーケティングではない。

確かに「マーケティングの基本 4P」の中には、「promotion」は含まれているが、それでもこの様な「promotion」のあり方は、×だと思う。
と言うのも「promotion」をしていないからだ。
宣伝の戦略として、著名人を使い「私も使っています」という宣伝のやり方は、昔からある。
ただ、その時は商品やサービスそのものを明らかにし「私も使っています」と、起用された著名人に言わせている。

このように、製品名を伏せておいて宣伝をする、と言うのは「promotion」そのものの意味を理解していないと思うし、自力でキチンとした「promotion」ができない、と言うことを言っている様にも思えるのだ。
まして今回は、ホワイトハウスが不快感を示して当然だろう。
何故なら、オバマ大統領は「選手と一緒に写真を撮った」という認識だったと思うし、もしかしたら、その認識すら無かったかも知れない。
何故なら、「自撮り」をしている選手とオバマ大統領の顔の向きや目線が、全く合っていないからだ。
そう考えると、肖像権の問題などが次々に起きてくる。

少なくとも「promotion」であれば、その様な問題は最初から起きないし、起こさない様に手順を踏んでいる。

サムソン側としては、製品を売らんがための戦略だったのだろうが、むしろ「形振り構わない戦略」というのは、企業イメージを大きく傷付ける。
なにより、マーケティングに携わる人間として、この様な悪意的な宣伝を「マーケティング」などと言ってもらいたくは無い。