日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

失敗を恐れずに

2014-04-03 19:31:09 | ビジネス

「失敗学」という学問があるらしい。
ポータルサイトなどで「失敗学」と検索をすると、随分ヒットする。
では何故「失敗学」なのだろう?
朝の支度をしていたら、その「失敗」をテーマにした本が紹介されていた。

その中でいくつか引っかかったコトがある。
ハーバード大学やスタンフォード大学では、「失敗をすることを褒める」という校風があるらしい。
その理由は「失敗=新しいチャレンジ」と考える校風があるからだという。
確かに、新しいチャレンジをすることは、失敗をする可能性も高い。
最初から成功するコトがわかっている様な挑戦は、失敗のリスクも少ないが新しい何かを創り出す可能性は少ない。
リスクの少ない挑戦は「堅実」とも言えるが、往々にして「挑戦」ではなく「改良」で終わってしまうコトのほうが多いだろう。
「改良」が悪い訳ではないが、「イノベーション」という視点で考えれば、「成功がわかっている挑戦」には、「イノベーション」となる要素はほとんど含まれてはいないだろう。

ポータルサイトの「Google」は、最初から「完璧なモノを創ろう」という気が無いらしい。
取りあえず、今できるモノを市場に出し、クレームがくれば、そのクレームを基に創り替えていけば良い。むしろ「クレーム」は「新しいアイディアの源泉である」という発想、と言うことのようだ。
「Google」の様な発想は日本人は苦手だろうし、「Google」がITと言う事業分野だからこそ、その様な発想ができるのかも知れない。

ただ「Google」の様な「顧客をモノづくりに引き込む」という発想は、IT産業でなくても可能だろう。
その為には、「減点主義」の社風を変えていく必要があるだろうし、何より「失敗に寛容な企業」に変わる必要がある。
日本の減点主義的な発想は、もしかしたら行政や金融など「失敗するコトが前提にない」トコロから広がっていった事業発想なのかも知れない。
実際、トヨタや三井物産などは「失敗に対して寛容」だという。
人の命に関わる様な失敗は問題だと思うが、アイディアの段階で失敗を繰り返すコトで、製品ができあがっていくと言うことに対して寛容、と言うことだと考えると「モノづくりの基本」という気もしてくる。

三井物産は「失敗を共有する」コトで、当事者以外の人から問題解決のアイディアをもらえる、といメリットがあるという。
様々な立場の人が集まるコトで、「三人寄れば文殊の知恵」というコトだろうか?

4月になり、ピカピカの新入社員達が職場に新しい風を吹き入れる。
「失敗の無い様に指導する」コトも大切だと思うが、それが過剰になってしまっては「イノベーションの種」は生まれてこないと思う。
受け入れるベテランも、新人達の失敗から何かを見つけられる様なチャンスが、この4月かも知れない。


3ヶ月後が、安倍政権の正念場?

2014-04-01 17:11:09 | ビジネス

今日から消費税が3%アップし、8%となった。
昨日までは、増税前の駆け込み需要で、小売が賑やかだったようだが今日から暫くは「忍の一字」という状況になるかも知れない。

今朝、FMを聞いていたら「どの国でも、増税前には駆け込み需要が起き、その後3ヶ月ほどは経済の低迷が続く」という話を聞いた。
と言うことは、増税前の駆け込み需要が起きるのは、何も日本に限ったコトではなく生活者として当たり前の行動なのかも知れない。

そして3ヶ月後くらいから、徐々に戻ってくると言うのも何となく判る様な気がした。
と言うのも、おそらく駆け込み需要で購入した様々な商品が底をつくのが、3ヶ月後くらいだと想像ができるからだ。
増税前の駆け込み需要と言っても、1年先まで購入するには費用という面だけではなく、保管場所という点でも、難しいだろう。
まして、日本の住宅事情は欧米よりも厳しい。
限りあるスペースにおける商品というのは、限られてしまう。
そう考えると、3ヶ月分というのが一つの目安となるのだと思う。

企業は最初から「3ヶ月は忍の一字」と思っていても、その3ヶ月で効果的な?経済政策が政府から発表されるコトを期待しているだろう。
企業だけではなく、生活者も「3ヶ月は何とかなるが、その先の不安を解消できる経済政策」を求めてくるはずだ。
逆に言えば、駆け込み購入した商品が底をつく頃が、生活者が感じる「増税実感」ということになるかも知れない。

そして3ヶ月後というのは、夏のボーナスシーズンとも重なり、生活者が様々な商品やサービスを購入する時期。
このタイミングで、景気の上向き実感を生活者が感じられるか否かで、その後の消費に大きな影響を与える可能性は高い。
とすれば、安倍さんにとってはこの3ヶ月が勝負の期間というコトになる。


就任当時の「アベノミクス」は、掛け声倒れで終わったのでは?と言う声も聞かれはじめての増税だ。今回は「景気の気」を呼び起こすだけではない、現実的な経済政策が求められるのは当然だろう。
特に、今回増税の目的となった分野での経済政策が打ち出せないと、増税分をカバーし生活者に還元している、と言う印象を生活者が持てなくなってしまう。
これまでの様な自民党が得意とする分野での経済政策では、通用しないということも生活者はわかっている。

そう考えると、この3ヶ月が安倍政権の真価が問われるのでは?
安倍さんをはじめ自民党の皆さんが、そう感じ・考えているのか?と不安なのだが・・・。