新聞社のWEBサイトに、ファーストリテイリングが「キャスキッドソン買収か?」という記事があった。
毎日新聞:ファーストリテイリング英国の人気雑貨ブランド買収か?
この記事を読みながら、ユニクロは一体どこへ向かうのだろう?と、考えたのだった。
と言うのも、この春から新しいラインナップとして、イネス・ド・ラ・フレサンジュとのコラボ商品を出している。(注意:サイトを開くとイネスのインタビュー音声あり)
イネス・ド・ラ・フレサンジュと聞いて、ある種の憧れを持たれる方は、おそらく私と同性代以上だろう。
と言うのも1980年代、シャネルのトップモデルとして大活躍をした女性だからだ。
スーパーモデルの象徴的なモデルだった、と言ったほうが良いかも知れない。
モデルを辞められた後は、、ご自分のブランドを立ち上げたと言う話も聞いてはいたが、パリコレの様な華やかなステージで、作品を見ることは無かった。
そんなイネスの名前をユニクロで見た時には、正直驚いた。
ファッションアイコンとして活躍をしてきた彼女が、ファストファッションのユニクロとコラボする、と言うのは何故だろう?と言う疑問符ばかりが付いていた。
そしてコラボ商品を見たとき、何となく納得もしたのだった。
理由は、彼女が日頃好きなファッションと言っていた、とてもシンプルで着やすそうなデザインだったからだ。
ただ、私のようにイネスを知っている世代と、そうでは無い世代とでは、その商品に対しての見方が随分違うだろうな~と、思っている。
そして今度は「キャス・キッドソン」だ。
個人的には、何故ビニールコーティングのバックが、高いのか?と思っているのだが、若い女性を中心に、人気があるブランドだ。
ユニクロからの支援を受けなくてはならない、と言う事情も余り感じられない。
もしかしたら「キャス・キッドソン」人気というのは、日本が中心で本場とは違うのか?と思わないではないのだが、それにしても、商品と価格のバランスを考えると、ファストファッション向きという気はしない。
にも関わらず、買収という話が出てくると言うことは、ユニクロの商品傾向を変えていくつもりなのか?とも感じる。
ファストファッションの中でも、比較的高級志向へシフトしたい、と言う気持ちの表れなのか?と言うことだ。
ユニクロ自体、これまで若手デザイナーを起用し、モード感のあるファストファッションを提案しようとしたりしてきたが、成功したとは言いがたい、と言う状況が続いている。
話題となったジル・サンダースとのコラボも、何となく中途半端で終わってしまった感がある。
ファストファッションの高級志向へシフト、と考えると何となく判る様な気がするのだが、そもそもファストファッションと高級志向というのは、共存できるとは思えない。
それをあえてチャレンジしようとしているとすれば、今後も注目していく必要があるだろう。