一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

ナカクラヒロミの本気と、船戸陽子女流二段の優勝

2009-07-22 00:18:13 | LPSAイベント
20日(月・祝)は、東京・駒込でLPSA主催「第26回1dayトーナメント・マンデーカップ」が行われた。
1日で優勝者が決まるスピーディーなトーナメント戦、今回は、月曜日の「マンデー・レッスン」の生徒やファン有志が協賛金を出し、記録や観戦記、解説や聞き手など裏方のすべてをこなす、というのが大きな特徴である。
ファン有志がポケットマネーを提供して、ひとつの棋戦が運営できる。なんて素敵なことだろう。1dayトーナメントはいろいろな形式があるが、今回のマンデーカップやファンクラブカップは、LPSA女流棋士がファンのありがたさを実感できる、貴重なタイトルといえるのではないだろうか。
出場者はマンデー・レッスンの講師や金曜サロンの指導棋士があたるが、今回はもうひとつ大きな目玉があった。
8人目の選手は、協賛金出資者でリーグ戦を行い、その成績優秀者が「マンデーX」として、棋戦に参加できるのだ。
これはすごい! ふだん私たちは金曜サロンなどで女流棋士に指導対局を受けているが、これはあくまでも「指導」であって、会員が平手で勝っても、全然自慢にならないと私は考えている。
しかし公認棋戦での対局なら話は別だ。これは棋譜が残る真剣勝負。プロ側も本気で指してくる。ファンから見れば、まさにおカネを出してでも対局したい、垂涎の一局なのだ。
予選となるリーグ戦の激戦を制し、「ミスターX」出場権を獲得したのは、マンデー・レッスンで腕を磨いているI氏。対局相手は中倉宏美女流二段と決まった。
本気の中倉女流二段と将棋が指せるのだ。くしくも中倉女流二段の大ファンだというI氏の、満面の笑みが目に浮かぶようである。
手合いは角落ちで、対局開始。中飛車に構えたI氏が終始押していたが、中倉女流二段も妖しく粘り、決め手を与えない。それでもI氏が着実に迫り必勝の局面になったが、最終盤で中倉王の詰みを逃して、上手の辛勝となった。
「即詰みがある」と事前に知らされれば、実力者I氏のこと、たとえ秒読みでも一目で詰ませただろうが、そううまくはいかないのが、先日の矢内-岩根戦を引き合いに出すまでもなく、実戦の厳しさ、難しさである。
I氏は「将棋に勝って勝負に負け」、残念だったが、それで良かったともいえる。中倉女流二段との本気勝負は、1day出場の余得として許容するとしても、続けて船戸陽子女流二段とも本気勝負となったら、今度は船戸フリークのひとりが、東京のどこかで不満を漏らしていたかもしれないからだ。
とにかくI氏はいい思い出になったことだろう。いい将棋を、ありがとうございました。
その後も熱戦が続き、このマンデーカップを制したのは、昨年の同カップに続いて船戸女流二段となった。船戸女流二段は、自分のファン有志やマンデー・レッスン生徒のためにも、絶対に勝つ、と闘志を燃やしていたはずである。連覇は大偉業。心からお祝い申し上げます。
LPSAホームページで、ファン有志が女流棋士を取り囲んでの記念写真を拝見したが、皆さん実にいい笑顔をしていた。イベントが大成功だった証左であろう。
また来年もマンデーカップが行われることを切に願って、今日はここでクリック!
コメント (8)
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