2日に対局された女流名人位戦A級・B級リーグ最終局は、みなさんご存じの結果となった。
A級の千葉―本田、里見―斎田、甲斐―岩根の3局の勝敗予想だが、「願望」を優先させて単純に星を付けていれば、すべて当たっていた。真剣に考えて、間違える。ここが予想の難しいところだ。将棋でも、1時間考えて指した手より、ノータイムで閃いた手が正着のときがある。両者はちょっと似ているかもしれない。
中井―矢内戦は見応えのある将棋の末、中井広恵女流六段の勝ち。しかし他局がまさかのまさかの結末で、矢内理絵子女王を道連れにして、降級となってしまった。中井女流六段の心中を察するに余りあるが、落ちたらまた上がればいいのである。矢内女王ともども、来期は一発でA級に復帰するだろう。
B級は、勝敗予想がほとんど当たった。中倉宏美女流二段は、結果的に勝てば残留だったが、負けては仕方ない。中倉女流二段はプレッシャーの克服が課題だと思う。ほかの4局は、負けた4棋士にはわるいが、順当な結果だったと思う。こんな私の予想は覆すくらいでないと、ダメである。
ところで残留した(する)A級メンバーと、B級から昇級してくる3名だが、来期のA級リーグで、「矢内さんと中井さんがいなくて助かった」などと考えているようでは、名人位挑戦者にはなれない。「あのお二方と戦いたかったのに!」と悔しがるくらいでないとダメである。A級・B級メンバーの、来期の活躍を祈る。
今期のB級は、LPSA所属者が5名いたが、途中で北尾まどか女流初段が脱退。石橋幸緒女流四段はぶっちぎり、フリーになった北尾女流初段は最終局で昇級を決めた。反対に中倉女流二段、島井咲緒里女流初段、松尾香織女流初段はそろって陥落と、明暗を分けた。この3名の白星を足すとわずか7勝、石橋女流四段の勝星にも及ばなかった。対女流棋士会に絞ると3勝にしかならないひどさだ。
これ、LPSAファンクラブに入会し、金曜サロンでお世話になっている私から見れば、すこぶる不満の残る結果である。
この際だからぶちまけてしまおう。LPSA女流棋士(中井女流六段、石橋女流四段を除く。以下同じ)は、日々の将棋の勉強が足りないのではないか?
女流棋士(将棋棋士)の何がうらやましいかと言えば、「24時間将棋の勉強をしていても、誰からも怒られない」ということに尽きる。私たち会社員や自営業者は、毎日仕事があるからそうはいかない。将棋を勉強したくても、時間はおのずと限られてくる。しかし女流棋士は、日常の雑務を割り引いても、かなり将棋に時間を割けるはずだ。しかるにLPSA女流棋士には、誤解を恐れずに言えば、ふだんから将棋を勉強している雰囲気が、私には感じられないのだ。
たとえば私は女流棋士会の「女流棋士スーパーサロン」で、上田初美女流二段に4局ほど教えていただいたが、最初の1局こそ平手で緩めていただいたものの、次からの3局は木端微塵に吹き飛ばされ、まるで将棋にならなかった。いまは上田女流二段に対して、平手で勝てる自信がまったくない。
ところがLPSA女流棋士に対しては、実際の勝敗は別にして、(平手で)勝てる可能性は十分ある、という気持ちを抱いている。
同じ考えが、女流棋士会のほうにもなくはないか。LPSA女流棋士、与し易し、と。
「私はこれだけ勉強してきたんだから、LPSAに負けるわけがない」
「勝てるかどうか分からないけど、頑張ろう」
という気持ちで両者がぶつかれば、前者に勝利の女神がほほ笑むのは火を見るより明らかだろう。いまのLPSA女流棋士は、おしなべて後者の思いを胸に秘めて戦っているのではなかろうか。これでは勝てない。
LPSAは毎月1dayトーナメントがあり、そのほかにも公開対局や各種イベント、普及の数々など盛りだくさんで、OLのような生活をしていることは重々承知している。しかしそれでも勉強の時間は捻出できるはずだ。
金曜サロンに通っているある人は、「将棋世界」の別冊付録をつねにズボンのポケットに入れ、ヒマがあれば考えている。ある人はつねに詰将棋の本を持ち歩き、通勤時間に考えている。私は特別なことはしていないが、つねに頭のどこかに4×4ぐらいの将棋盤が入っていて、そこで駒がちょこちょこ動いている。
サロンでもみな熱心だ。ある人は大して将棋は強くないが、「次の一手」の正解図のあとの変化を私に訊いてきた。ある人は最近の実戦を植山悦行手合い係に見せ、いつもアドバイスを乞う。また先日はサロンのメンバーで飲みに行く機会があったが、そこでも将棋を始める始末であった。
勉強をしようと思えば、いつでもどこでもできるのだ。LPSA女流棋士に、将棋に懸ける情熱がこれだけあるだろうか。
ある公式戦の何日か前、私たちがあるLPSA女流棋士に激励の言葉をかけた。すると彼女はこう言ったものだ。
「やめてやめて! 応援しないで!!」
…もう、情けないと言うしかなかった。
私のブログを、毎朝通勤時に読むのが楽しみだという人がいる。下痢気味なのに力んでウンチを漏らしてしまったとか、AV女優のDVD発売イベントに行ってきたとか、旅先で一目惚れした女性の家に押しかけていく気味の悪い男の話とか、ヘンな記事ばかり書いているこのブログのどこが面白いのか分からぬが、とにかくそういった声を聞けば私だって嬉しい。疲れ切って、1日ぐらいブログの更新を休んじゃおうかとの誘惑にもかられるが、全国に何人かでも私の記事を楽しみにしている人がいれば、もうちょっと頑張って夜中のうちにアップしちゃおう、というチカラも湧いてくる。
こんな私でさえそうなのだ。女流棋士がファンから激励されたら、
「がんばります!!」
と力強く応えてくれて然るべきではないだろうか。
別のLPSA女流棋士は、私との指導対局のとき、私に負けまいと鬼のような形相で対峙する。また別の女流棋士は、「一公さんには一生負けない!!」と宣言する。それは大いに結構だが、彼女らはそれだけの意気込みを持って、ふだんから対局に臨んでいるのだろうか。
LPSAは何のために女流棋士会から独立したのか。待遇改善や独自の普及、収入の問題など、もろもろの事項があったのだろう。しかしそれには、まずは公式戦で勝たなければダメだ。勝って初めて、主張に説得力が生まれる。
現在は中井女流六段と石橋女流四段が一手に理事の業務を引き受け、もろもろの揉め事でいらぬ神経を遣っている。お二人は精神的に強いから泣き言は言わないだろうが、その疲労感はこちらにも伝わってくる。いったいその時、ほかの女流棋士は何をしているのだろう。明らかにこのお二人より時間はあるはずなのに、それでいて成績はそれ以下なのだ。このままではアマチュア女流に苦もなくひねられ、ツアー女子プロにもなす術なく負けること必定である。
私は金曜サロンに通い続け、女流棋士の皆さまに鍛えられたおかげで、香一本強くなった実感がある。それなのに会員同士の対局で私の成績が上がっていないのは、ほかの会員も同じく強くなっているからだ。
私はもちろん、ほかの会員だって、けっこうな歳である。それでも棋力が向上しているのだ。LPSA女流棋士だって、棋力が伸びないわけがない。
LPSAと女流棋士会の対局なら、たとえ女流棋士会側が山口恵梨子ちゃんでも、まあ、その、ちょっと躊躇はするが、私はやっぱりLPSA棋士を応援する。どうかそれに応える気概を、LPSA女流棋士は持ってもらいたい。
最後にもう一度書く。LPSAは強くなければならない。とにかくこれからは一層将棋の勉強に精進して、私たちLPSAファンを何度も何度も歓ばせてほしいと思う。
A級の千葉―本田、里見―斎田、甲斐―岩根の3局の勝敗予想だが、「願望」を優先させて単純に星を付けていれば、すべて当たっていた。真剣に考えて、間違える。ここが予想の難しいところだ。将棋でも、1時間考えて指した手より、ノータイムで閃いた手が正着のときがある。両者はちょっと似ているかもしれない。
中井―矢内戦は見応えのある将棋の末、中井広恵女流六段の勝ち。しかし他局がまさかのまさかの結末で、矢内理絵子女王を道連れにして、降級となってしまった。中井女流六段の心中を察するに余りあるが、落ちたらまた上がればいいのである。矢内女王ともども、来期は一発でA級に復帰するだろう。
B級は、勝敗予想がほとんど当たった。中倉宏美女流二段は、結果的に勝てば残留だったが、負けては仕方ない。中倉女流二段はプレッシャーの克服が課題だと思う。ほかの4局は、負けた4棋士にはわるいが、順当な結果だったと思う。こんな私の予想は覆すくらいでないと、ダメである。
ところで残留した(する)A級メンバーと、B級から昇級してくる3名だが、来期のA級リーグで、「矢内さんと中井さんがいなくて助かった」などと考えているようでは、名人位挑戦者にはなれない。「あのお二方と戦いたかったのに!」と悔しがるくらいでないとダメである。A級・B級メンバーの、来期の活躍を祈る。
今期のB級は、LPSA所属者が5名いたが、途中で北尾まどか女流初段が脱退。石橋幸緒女流四段はぶっちぎり、フリーになった北尾女流初段は最終局で昇級を決めた。反対に中倉女流二段、島井咲緒里女流初段、松尾香織女流初段はそろって陥落と、明暗を分けた。この3名の白星を足すとわずか7勝、石橋女流四段の勝星にも及ばなかった。対女流棋士会に絞ると3勝にしかならないひどさだ。
これ、LPSAファンクラブに入会し、金曜サロンでお世話になっている私から見れば、すこぶる不満の残る結果である。
この際だからぶちまけてしまおう。LPSA女流棋士(中井女流六段、石橋女流四段を除く。以下同じ)は、日々の将棋の勉強が足りないのではないか?
女流棋士(将棋棋士)の何がうらやましいかと言えば、「24時間将棋の勉強をしていても、誰からも怒られない」ということに尽きる。私たち会社員や自営業者は、毎日仕事があるからそうはいかない。将棋を勉強したくても、時間はおのずと限られてくる。しかし女流棋士は、日常の雑務を割り引いても、かなり将棋に時間を割けるはずだ。しかるにLPSA女流棋士には、誤解を恐れずに言えば、ふだんから将棋を勉強している雰囲気が、私には感じられないのだ。
たとえば私は女流棋士会の「女流棋士スーパーサロン」で、上田初美女流二段に4局ほど教えていただいたが、最初の1局こそ平手で緩めていただいたものの、次からの3局は木端微塵に吹き飛ばされ、まるで将棋にならなかった。いまは上田女流二段に対して、平手で勝てる自信がまったくない。
ところがLPSA女流棋士に対しては、実際の勝敗は別にして、(平手で)勝てる可能性は十分ある、という気持ちを抱いている。
同じ考えが、女流棋士会のほうにもなくはないか。LPSA女流棋士、与し易し、と。
「私はこれだけ勉強してきたんだから、LPSAに負けるわけがない」
「勝てるかどうか分からないけど、頑張ろう」
という気持ちで両者がぶつかれば、前者に勝利の女神がほほ笑むのは火を見るより明らかだろう。いまのLPSA女流棋士は、おしなべて後者の思いを胸に秘めて戦っているのではなかろうか。これでは勝てない。
LPSAは毎月1dayトーナメントがあり、そのほかにも公開対局や各種イベント、普及の数々など盛りだくさんで、OLのような生活をしていることは重々承知している。しかしそれでも勉強の時間は捻出できるはずだ。
金曜サロンに通っているある人は、「将棋世界」の別冊付録をつねにズボンのポケットに入れ、ヒマがあれば考えている。ある人はつねに詰将棋の本を持ち歩き、通勤時間に考えている。私は特別なことはしていないが、つねに頭のどこかに4×4ぐらいの将棋盤が入っていて、そこで駒がちょこちょこ動いている。
サロンでもみな熱心だ。ある人は大して将棋は強くないが、「次の一手」の正解図のあとの変化を私に訊いてきた。ある人は最近の実戦を植山悦行手合い係に見せ、いつもアドバイスを乞う。また先日はサロンのメンバーで飲みに行く機会があったが、そこでも将棋を始める始末であった。
勉強をしようと思えば、いつでもどこでもできるのだ。LPSA女流棋士に、将棋に懸ける情熱がこれだけあるだろうか。
ある公式戦の何日か前、私たちがあるLPSA女流棋士に激励の言葉をかけた。すると彼女はこう言ったものだ。
「やめてやめて! 応援しないで!!」
…もう、情けないと言うしかなかった。
私のブログを、毎朝通勤時に読むのが楽しみだという人がいる。下痢気味なのに力んでウンチを漏らしてしまったとか、AV女優のDVD発売イベントに行ってきたとか、旅先で一目惚れした女性の家に押しかけていく気味の悪い男の話とか、ヘンな記事ばかり書いているこのブログのどこが面白いのか分からぬが、とにかくそういった声を聞けば私だって嬉しい。疲れ切って、1日ぐらいブログの更新を休んじゃおうかとの誘惑にもかられるが、全国に何人かでも私の記事を楽しみにしている人がいれば、もうちょっと頑張って夜中のうちにアップしちゃおう、というチカラも湧いてくる。
こんな私でさえそうなのだ。女流棋士がファンから激励されたら、
「がんばります!!」
と力強く応えてくれて然るべきではないだろうか。
別のLPSA女流棋士は、私との指導対局のとき、私に負けまいと鬼のような形相で対峙する。また別の女流棋士は、「一公さんには一生負けない!!」と宣言する。それは大いに結構だが、彼女らはそれだけの意気込みを持って、ふだんから対局に臨んでいるのだろうか。
LPSAは何のために女流棋士会から独立したのか。待遇改善や独自の普及、収入の問題など、もろもろの事項があったのだろう。しかしそれには、まずは公式戦で勝たなければダメだ。勝って初めて、主張に説得力が生まれる。
現在は中井女流六段と石橋女流四段が一手に理事の業務を引き受け、もろもろの揉め事でいらぬ神経を遣っている。お二人は精神的に強いから泣き言は言わないだろうが、その疲労感はこちらにも伝わってくる。いったいその時、ほかの女流棋士は何をしているのだろう。明らかにこのお二人より時間はあるはずなのに、それでいて成績はそれ以下なのだ。このままではアマチュア女流に苦もなくひねられ、ツアー女子プロにもなす術なく負けること必定である。
私は金曜サロンに通い続け、女流棋士の皆さまに鍛えられたおかげで、香一本強くなった実感がある。それなのに会員同士の対局で私の成績が上がっていないのは、ほかの会員も同じく強くなっているからだ。
私はもちろん、ほかの会員だって、けっこうな歳である。それでも棋力が向上しているのだ。LPSA女流棋士だって、棋力が伸びないわけがない。
LPSAと女流棋士会の対局なら、たとえ女流棋士会側が山口恵梨子ちゃんでも、まあ、その、ちょっと躊躇はするが、私はやっぱりLPSA棋士を応援する。どうかそれに応える気概を、LPSA女流棋士は持ってもらいたい。
最後にもう一度書く。LPSAは強くなければならない。とにかくこれからは一層将棋の勉強に精進して、私たちLPSAファンを何度も何度も歓ばせてほしいと思う。