11月13日のLPSA金曜サロン・夜は船戸陽子女流二段の担当だった。
この日の大盤解説は、前日に女流王位リーグ入りを決めた船戸女流二段の、対山口恵梨子女流1級との1局。そのとき私は金曜リーグ戦の真っ最中で解説を聞くどころではなかったのだが、冒頭で船戸女流二段は
「一公さんは恵梨子ちゃんのほうを応援してたと思いますけどォ」
と言ったらしい。
私は藤田麻衣子女流1級と山口女流1級との対局でさえ藤田女流1級を応援していたくらいだから、船戸-山口戦なら船戸女流二段を応援するに決まっている。しかし私の言動がちゃらんぽらんなせいか、いまひとつ信用がないようだ。
指導対局開始。今年船戸女流二段に指導を受けるのは、これで最後の予定だったので、いつも以上に気を引き締めて臨んだ。
戦型は私の三間飛車に船戸女流二段の居飛車穴熊。2週間前と同じで、ここまでくると、双方意地の張り合いだ。中盤に入り、上手陣の中央が薄いので、私は思い切って☗4五歩☖同歩☗4四歩と仕掛ける。しかし☖5二金と上がられてみると存外効果がなく、早くもここで戦意を喪失した。今年最後の1局だからもっと大事に指さなければいけないのに、早まった。
しかし船戸女流二段はじわじわ優位を拡大するような指し方はせず、大捌きに出る。駒の取りあいなら、こちらも指せそうだ。
ここで一段落したその局面を記してみる。例によって符号のみである。ところでこの表記法について読者から、図面で掲載してくれたほうが、見るほうは便利なのに…という要望があった。
たしかにそちらのほうが便利だが、私は図面を貼る方法を知らないし、知っても図面を貼る気はない。私の手など参考にならないし、熱心な方のみ盤に並べて局面を再現してくれれば、それでいいと思っている。
上手・船戸女流二段:1一王、1二香、1四歩、2一桂、2二銀、2三歩、2四角、3一金、3四歩、4三金、4六歩、7三歩、8一桂、8八と、9一香、9四歩(9三歩だったかもしれない) 持駒:金、銀、桂、歩
下手・一公:1六歩、1九香、2七歩、2八玉、3六歩、3八銀、4七飛、4九金、5六歩、6六歩、8六馬、8九桂、9七歩、9九香 持駒:飛、銀、歩4
☗4七同飛に☖4六歩(打)まで。実はこれが投了図である。もちろん最初は☗7七飛と逃げるつもりだった。しかしそれでは☖8七金の飛、馬両取りがある。さりとてほかの筋に逃げても、駒を打たれて飛車をいじめられ、最終的に攻め倒されると思った。だから「最終局」ぐらい綺麗な投了図にしよう、と私はここで投げたのだが、またも船戸女流二段に「エーッ!?」と叫ばれてしまった。
うん?…投了は早計だったか? たしかに☗7七飛☖8七金は、☗3一馬☖同銀に飛車を逃げておいて、これは☖8七金がスカタンだから、下手も指せる。しかし将棋は、必ずしも相手玉を詰ます必要はない。相手に負けを認めさせればいいのだ。その意味で、私が戦意を喪失した時点で勝敗は決していた、ともいえる。
しかし船戸女流二段は私の投了を「指導対局放棄」と取ったのか、ちょっとムッとした様子で、今回はあまり感想戦をしなかった。
さて今年船戸女流二段には、指導対局に加えて、ブログでもずいぶんとネタにさせていただいた。指導対局はこちらもおカネを払っているのでGive and takeだが、ブログでは私が好き勝手に書き連ね、船戸女流二段には迷惑を掛けたと思う。ここで深くお詫びし、記事を黙認してくださった心遣いに、大いに感謝する次第である。
なお船戸女流二段の金曜サロン担当は、来年は3月以降になる。来年はもうすこし、船戸女流二段が長考する将棋を指したいものだ。今年1年、ありがとうございました。
この日の大盤解説は、前日に女流王位リーグ入りを決めた船戸女流二段の、対山口恵梨子女流1級との1局。そのとき私は金曜リーグ戦の真っ最中で解説を聞くどころではなかったのだが、冒頭で船戸女流二段は
「一公さんは恵梨子ちゃんのほうを応援してたと思いますけどォ」
と言ったらしい。
私は藤田麻衣子女流1級と山口女流1級との対局でさえ藤田女流1級を応援していたくらいだから、船戸-山口戦なら船戸女流二段を応援するに決まっている。しかし私の言動がちゃらんぽらんなせいか、いまひとつ信用がないようだ。
指導対局開始。今年船戸女流二段に指導を受けるのは、これで最後の予定だったので、いつも以上に気を引き締めて臨んだ。
戦型は私の三間飛車に船戸女流二段の居飛車穴熊。2週間前と同じで、ここまでくると、双方意地の張り合いだ。中盤に入り、上手陣の中央が薄いので、私は思い切って☗4五歩☖同歩☗4四歩と仕掛ける。しかし☖5二金と上がられてみると存外効果がなく、早くもここで戦意を喪失した。今年最後の1局だからもっと大事に指さなければいけないのに、早まった。
しかし船戸女流二段はじわじわ優位を拡大するような指し方はせず、大捌きに出る。駒の取りあいなら、こちらも指せそうだ。
ここで一段落したその局面を記してみる。例によって符号のみである。ところでこの表記法について読者から、図面で掲載してくれたほうが、見るほうは便利なのに…という要望があった。
たしかにそちらのほうが便利だが、私は図面を貼る方法を知らないし、知っても図面を貼る気はない。私の手など参考にならないし、熱心な方のみ盤に並べて局面を再現してくれれば、それでいいと思っている。
上手・船戸女流二段:1一王、1二香、1四歩、2一桂、2二銀、2三歩、2四角、3一金、3四歩、4三金、4六歩、7三歩、8一桂、8八と、9一香、9四歩(9三歩だったかもしれない) 持駒:金、銀、桂、歩
下手・一公:1六歩、1九香、2七歩、2八玉、3六歩、3八銀、4七飛、4九金、5六歩、6六歩、8六馬、8九桂、9七歩、9九香 持駒:飛、銀、歩4
☗4七同飛に☖4六歩(打)まで。実はこれが投了図である。もちろん最初は☗7七飛と逃げるつもりだった。しかしそれでは☖8七金の飛、馬両取りがある。さりとてほかの筋に逃げても、駒を打たれて飛車をいじめられ、最終的に攻め倒されると思った。だから「最終局」ぐらい綺麗な投了図にしよう、と私はここで投げたのだが、またも船戸女流二段に「エーッ!?」と叫ばれてしまった。
うん?…投了は早計だったか? たしかに☗7七飛☖8七金は、☗3一馬☖同銀に飛車を逃げておいて、これは☖8七金がスカタンだから、下手も指せる。しかし将棋は、必ずしも相手玉を詰ます必要はない。相手に負けを認めさせればいいのだ。その意味で、私が戦意を喪失した時点で勝敗は決していた、ともいえる。
しかし船戸女流二段は私の投了を「指導対局放棄」と取ったのか、ちょっとムッとした様子で、今回はあまり感想戦をしなかった。
さて今年船戸女流二段には、指導対局に加えて、ブログでもずいぶんとネタにさせていただいた。指導対局はこちらもおカネを払っているのでGive and takeだが、ブログでは私が好き勝手に書き連ね、船戸女流二段には迷惑を掛けたと思う。ここで深くお詫びし、記事を黙認してくださった心遣いに、大いに感謝する次第である。
なお船戸女流二段の金曜サロン担当は、来年は3月以降になる。来年はもうすこし、船戸女流二段が長考する将棋を指したいものだ。今年1年、ありがとうございました。