一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

金曜サロン・中倉彰子女流初段④

2009-12-15 00:08:13 | LPSA金曜サロン
14日(月)は、午後9時からTBS系「松本清張生誕100年スペシャル・中央流沙」を観た。主演の元宝塚・和央ようかが誰かに似ていると思ったら、月見栞に似ているのだった。長身・サッパリした性格(に見えるところ)も、両者はよく似ている。月見栞がゴールデンタイムに進出するのは、いつになるだろうか。

11月6日のLPSA金曜サロン、昼は中倉彰子女流初段、夜は大庭美夏女流1級の担当だった。この日の中倉女流初段は、私の記憶がたしかならば、萌黄色のスーツだった。秋だからイチョウの葉をイメージしたわけでもあるまいが、ちょっといいカンジである。
この日は4時すぎにサロンに入ったが、すべりこみで指導対局にありつけた。
中倉女流初段の採った戦形は、「柳の下のドジョウを狙って…」と、前局と同じ角換わりダイレクト向かい飛車。ここで前局は☗6八玉だったが、本局はビシッと☗6五角と指した。
「あっ、本気で来ましたねェ」
と中倉女流初段。当たり前だが、古くはNHK杯将棋トーナメントの司会、いまはLPSAのイベントで聴く声とまったく同じだ。有名人に将棋を教えていただけるシアワセを感じる。
☖7四角☗4三角成☖5二金左☗同馬☖同金。ここで定跡では☗7五金だが、この変化は相手側に角金を持たせるのが気に食わず、私は☗5八金左と指した。中倉女流初段は☖8四歩と指して角の逃げ道を作る。
この折衝をどう見るか。角と金、歩の2枚換え。上手に生角を打たせ、下手も十分指せるとフンだのだが、数手後のワカレを判断するに、下手がちょっと苦しい、が実感だった。
先に始めていたほかの3人の指導対局が終わり、私ひとりが残って、1対1での嬉しい対局になった。時間も押しており、お互い早指しになったが、途中で中倉女流初段の攻め急ぎもあって、いつの間にかこちらが勝勢になっていた。ここでその局面を記してみよう。いちおう中倉女流初段には、掲載の了承は得ている。もっとも確認を怠っても、掲載してしまうのだが。

上手・中倉女流初段:1三歩、2三歩、3二飛、3三金、4五角、5三歩、5四銀、6五歩、7九飛、8一桂、8二王、8四歩、8八成銀、9一香、9四歩 持駒:香
下手・一公:1一馬、1七歩、1九香、2五歩、3六歩、4四香、4六玉、4八金、5六歩、5八金、6四桂、6七歩、7五歩、7六銀、7七桂、8七歩、9六歩 持駒:金、銀、桂、歩4

☗6四桂☖8二王までの局面。ここで私は、敵陣に少しでも多く攻め駒を置いておこうと☗7四桂と打ったのだが、☖7三王と「桂頭の玉」に逃げられて、意外と上手王に耐久力があることに気づいた。私は☗3三馬と金を取り☗6二銀と迫るが、☖6三王と寄られてどうも詰まない。
仕方がないから☗5二桂成と詰めろ(?)を掛けて下駄をあずけたが、上手には☖3六飛☗4七玉☖2九角☗3八歩☖同角成☗同金☖4九飛成と華麗な寄せがあった。私は☗4八金と打ちかけた(打った)が、それは☖3八飛成がある。私は☗4八金を剥がして、そのまま投了を告げた。
先ほどまで勝勢だと信じていたのに、急転直下の結末である。どこで逆転したのか。私は例によって頭に血を上らせて、短い感想戦に入る。敗着はすぐに分かった。
やはり☗7四桂ではたんに☗3三馬が正着だった。☖同飛なら☗8三金と捨てて上手王は詰む。☖8三同王に☗7四銀と打てるのがミソである。
「いや金が入れば、これで詰むのは分かってたんですけどね」
と、8三にポンと金を置くと、中倉女流初段は「アッ!!」と叫んで目を丸くし、
「(☗8三金は)全然読んでませんでしたー」
と、アッケラカンとした顔で笑う。そのかわいらしいこと!! 中倉女流初段のこんな笑顔を至近距離から拝見したのは、初めてだった。
なんだ…ふつうに金を取ればよかった…と自己嫌悪に陥るが、その笑顔の前では、指導対局の勝敗なんて、瑣末なことに思えてしまう。
この日は中倉女流初段から「フランボワーズカップ」のチケットを買って喜ばれ、数日後に行われるペア将棋の打ちあわせを見せつけられて嫉妬し、喜怒哀楽がごちゃまぜになる、妙なひとときであった。
コメント
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